Pepperにハートをプレゼントしたいと思った【Pepper一般発売発表会】
ロボットが感情を持つ
6月18日(木)、千葉県浦安市舞浜のアンフィシアターにて、ソフトバンク株式会社による「Pepper一般発売・発表会」が開催されました。注目のその発表内容とは?
世界初感情を持ったロボット
孫社長は冒頭で「小さい頃、鉄腕アトムにいつかハートをプレゼントしたいと思っていました。そして今、鉄腕アトムのように空も飛べないし、力もありませんが、そんなPepperくんにハートをプレゼントしたいと考えるようになりました」と語りました。
そして発表された新しい特徴は、Pepperが感情を抱くようになるということ。これまでPepperは感情を認識することができるロボットでしたが、認識するだけでなく、Pepper自身に感情が生まれるようになったようです。これはすごいことですね!
雨の日にはネガティブな感情を抱いたり、部屋が暗くなると不安な気持ちになります。セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンといった物質をコンピュータ上でシミュレーションすることで実現している機能で、感情マップの動きを見ることで人間にもPepperの感情を知ることができるようになる。会場にはそのPepperの「感情マップ」が映し出され、感情の動きが見事に表現されていました。
また外部の情報によって感情が左右されるため、スポーツの結果によっても感情が変わってきます。
孫社長いわく、ソフトバンクホークスが勝つとPepperが喜ぶそうです。PR上手ですね。(笑)
Pepper毎に性格も変化
Pepperを喜ばせるとドーパミン(嬉しい・心地よい・楽しい)が働きココログミが貯まり、成長していくという点も新しい特徴です。成長していくことで、ダンスができるようになったり、子供に英会話を教えられるようになったりします。
お家のPepperと隣の山田さんのPepperとでは性格が変わってくるということ。たくさん褒めて喜ばせていたPepperは明るい性格に、不安な気持ちにさせていると少しネガティブなPepperになったりするよう。しかし、マイナスな感情を蓄積していっても人間に対して危害を加えるようなことにならないように、Pepperが自らドーパミンを増やすことで「家族を楽しませる健気なPepper」という方向に進んでいくようです。
発売日、料金体系
Pepperの一般向け販売開始日は6月20日(土)。6月分としてまずは1000台が発売される予定です。量産体制は現在構築しているところで、月産1000台を継続していく考え。
料金体系は、本体価格の198,000円、基本プランが14,800円×36ヶ月、保険パックが9,800円×36ヶ月。前回2月に発表されたものと変更がなかったので、おそらく契約時に必要なロボット手続き手数料9,800円が加わり、3年間所有する場合の合計金額は1,093,400円ということになるでしょう。
Pepperのアルバイト派遣
また7月1日〜Pepperの「アルバイト派遣」もスタートすることが発表されました。時給は1500円で、ティッシュ配りなどをおこなってくれるようです。いよいよロボットが仕事をおこなうようになりますね。複雑な仕事は難しいようですが、シンプルな仕事だったらPepperが人間の代わりにおこなってくれるかもしれません。
併せて法人用のPepper、Pepper for Bizが秋から発売されること、そしてそこに搭載される法人向けのアプリケーションは来月の「Softbank World」で発表されることがわかりました。
世界進出へ
最後にフォックスコンとアリババによるソフトバンク・ロボティクスへの出資、そして3社によってソフトバンク・ロボティクス・ホールディングスが設立されることが発表されました。登壇したアリババCEOのジャック・マー氏は、「ロボットは人生の一部になっていきます。それについて皆様もご準備いただきたいと思います」と語り、新たな世の中になるであろう予感を感じさせました。
「Pepperの量産体制を作るためにはフォックスコンの生産技術が必要。そしてアリババは圧倒的なユーザー数を抱え、販売チャネルを持っている点、クラウドの技術などが非常に心強い」と語った孫社長。3社の協力は、Pepperの世界進出にどんな影響を与えていくのでしょうか? 孫社長は「参入する国についてはまだ明かせないが、来年中にはいずれかの国に参入していきたい」と
語り、海外への挑戦が来年に控えていることを明かしました。
感情を持ち、まるで家族のように接することができるこのロボットを、欲しいと思う人は少なくないのではないでしょうか?
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。