TEDのロボット動画まとめ~その4
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ロボットに関するお勧めのTED動画の紹介、その4です。
今回はロボットと人類の関係や、人工知能に関する動画を紹介します。
■ロドニー・ブルックス「ロボットは我々の生活を侵略する」
2003年のこの予言的な講話において、ロボット研究者であるロドニー・ブルックスは、玩具から家事、そしてその先に至るまで、ロボットがどのように我々の生活において役割を果たして行くかを述べています。
ロボットが普及すると人類に困るのではないか・・・その疑問について、ロドニー・ブルックスが心配する必要はないと論じています。
■ロボットと戦争の未来
戦争でロボットが広範囲に使用されることにより、実際の戦闘がどのように変わっているのかを P・W・シンガーが語ります。S.F. にあるようなシナリオが、今ではもう現実になろうとしています。
普段私たちがあまり意識していない、戦争に使われるロボットについてのプレゼンテーションです。良い面もありますが、良くない面もあり、考えさせられます。
■人殺しの決定をロボットに任せてはいけない
ダニエル・スアレースが普段小説家として描き出しているのは悲観的未来像ですが、TEDGlobalのステージで彼が語るのは私達がもっと知らなければならない現実のシナリオ、自律的ロボット兵器の台頭です。最新鋭のドローン、自動兵器、人工知能搭載の諜報ツールなどが、人の手を離れて自ら決断を下す可能性を彼は示しています。
殺人ロボットについての問題提起。戦争を自動化してはならないとの主張はまさにその通りと思います。
■人工知能が人間より高い知性を持つようになったとき何が起きるか?
人工知能は飛躍的に知的になっています。ある研究は今世紀中に人工知能の知性が人間並みになると示唆しています。「機械の知性は人類が発明する必要のある最後のものになる」とニック・ボストロムは言います。哲学者であり技術の研究者でもある彼は、我々が構築しつつある考える機械が動かす世界のことをよく考えるよう求めています。我々の作り出す知的な機械は人類とその価値を守る助けとなるのでしょうか、それともそれ自身の思惑を持つようになるのでしょうか?
人工知能が人類をうわまる知識を得たときに何が起こりうるのか、そのために必要なことなんなのかポジティブに解説しています。
■コンピュータが写真を理解するようになるまで
小さな子供は写真を見て「ネコ」や「本」や「椅子」のような簡単な要素を識別できます。今やコンピュータも同じことができるくらいに賢くなりました。次は何でしょう? この胸躍る講演で、コンピュータビジョンの専門家であるフェイフェイ・リーが、写真を理解できるようコンピュータに「教える」ために構築された1500万の画像データベースをはじめとする、この分野の最先端と今後について語ります。
人工知能おの研究の進み具合の凄さに驚きます。3歳の子供ぐらいの識別能力があることに驚きます。
■自ら学習するコンピュータの素晴らしくも物恐ろしい可能性
コンピューターに学び方を教えた時何が起きるのでしょう? 科学技術者であるジェレミー・ハワードが急速に発展しているディープ・ラーニングの分野で起きている驚くべきことを紹介してくれます。コンピューターが中国語を学び、写真に写っている物を認識し、医療診断をする。(あるディープ・ラーニング・プログラムは何時間ものYouTubeビデオを見た後、「猫」の概念を自ら学び取りました。) この分野の最新動向を押さえておくことにしましょう。それは私達の身の回りのコンピューターの振る舞いを変えることになるでしょうから・・・あなたが思っているよりも早く。
人間の作業のかなりの部分をコンピューターができるようになってきていることがよく分かる動画です。シンギュラリティーは近いということを感じさせます。
■セバスチャン・スラン「Googleの自動運転車で目指していること」
セバスチャン・スランは自動車事故をなくして生命を救いたいという思いを力に、Googleの驚くべき自動運転車の開発を進めています。目を見張るばかりのビデオで、DARPAグランドチャレンジ優勝の車が、誰もハンドルを握ることなく混雑する街路を走る様子をご覧いただきます。TED2011で披露されたテスト走行の映像は、この車にどれほど素早い動きができるかを示しています。
人工知能・機械学習による自動運転の今をGoogleがTEDプレゼンテーションで公開。自動運転の時代は間違いなくやってきますね。
■自動運転車は周りの世界をどう見ているのか
統計的に自動車おいて信頼性の最も低い要素が何かというと、それは運転手です。現在進められている運転席から人間をなくそうという企ての1つ、Googleの自動運転車プログラムを率いるクリス・アームソンが自動運転車の現状について語り、自動運転車はどのように道路を見、次にどうすべきか自律的に判断しているのか、興味深い映像を使って紹介します。
Googleの自動運転の最新プレゼンテーション。ドライビングアシストではなく、なぜ自動運転というアプローチをとっているのか、そして渋滞や事故の問題がどう解決されていくのかがわかる動画です。
ということで、4回にわけてロボットなTED動画を紹介してきました。TEDにはロボットに限らず素晴らしいアイディアが公開されています。世界をより良い世界にすべく、僕らもいいアイディアを実現していこうと思うのでした。ではまた。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。