ガイアの夜明け「新”ロボット革命”始まる」を見ました。(3/3)

2015年8月4日にテレビ東京「ガイアの夜明け」で、ロボットを特集した「新”ロボット革命”始まる」が放送されましたので、番組を見た感想を。

なお、テレビ東京ビジネスオンデマンドに加入すると、放送後の番組もノーカットで見ることができます。今回のブログに書ききれなかった内容も見られますので、気になる方は以下からどうぞ。

▽テレビ東京オンデマンド(有料)
http://www.tv-tokyo.co.jp/biz/txbiz.html


Pepperが飽きられないためにどうすればいいか?2月の発売に向けて、次の手を考えている林さんが訪れたのは東京大学大学院 特任講師の光吉俊二さん。

光吉さんが長年研究しているものを見せてもらいました。

人間の感情を図式化した、その名も「感情マップ」。見たり聞いたり触れたりするなど、外の刺激から人間の感情がどう変わるかを研究したものです。図を見ると、いとおしい・やさしいなどのいい感情があれば、その対極にはつらい・きついなどの悪い感情もあります。

将来この感情マップをPepperに導入する予定でしたが、前倒しできないか相談しに来たのです。林さんはPepperが感情すなわち心を持つと飽きられないんじゃないかと考えたのです。

光吉さん「小さくやってみて間違っていたら、修正するしかないんじゃないの。誰もやったことをやってるんだから」といい言い、導入をすすめることとなりました。


Pepper専従の技術者は100人以上いて、彼らが早速感情を持ったPepperの開発に取り掛かりました。

ある技術者はPepperを揺さぶるとどういう変化が起きるのか、蹴り飛ばすとどういうふうに嫌な値になるかを調べます。Pepperに向かって怒鳴ったり蹴飛ばしたりすると、外からの刺激にPepperにあるセンサーが反応して、「なんだか落ち着かない」「嫌な感じ」といったその時の感情が蓄積されていくようにプログラムしていきます。


去年12月、感情マップを持ったPepperが形になりました。頭を撫でると、Pepper内部のセンサーが「頭をなでられた」と認識し、良い感情が生まれるようにしました。

番組では、この新しい機能を初めて孫社長に見てもらう瞬間にも密着。

考案者である光吉さん自ら説明します。「(感情マップをPepperに導入すると)同じパターンが二度と起きない。すなわち飽きない。もうちょっと進化させると、Pepperが自分自信で判断することができるようになる」と言います。

ここで林さん、ある問題点を切り出します。「今のCPUの性能だと感情マップだけでほぼ100%となってしまい、会話モードと同時に動かすことができない。」と。

これを聞き孫さんはその場で2月の販売の延期を決断しました。販売延期という異例の決定で、開発期間が確保できましたが、その分のプレッシャーが林さんにのしかかります。

「Pepperに自らの感情を持たせる。ここが最大の我々の挑戦であり、進化だと思う」と孫さんは言います。


5月、再び孫さんによる新しくなったPepperのチェックが。

人がPepperを一生懸命喜ばせるということをしてみます。「Pepperかっこいい!かわいい!」と一生懸命に褒め続けます。すると、Pepperは「うれしいーーー!うれしすぎて泣いちゃうーーー!」と言いだしました。自らの感情を持ったPepperの誕生です。

孫さんは出来栄えに満足し、「これくらい家族で一生懸命喜ばせるといいんじゃない。」と言いました。


2015年6月、ついに一般販売を正式に発表する日です。

記者発表で孫さんは「去年のPepperと今年のPepperは見た目の形は同じだが、心の中が著しく変化した」と言います。

ここで初めて感情マップを公式の場で発表しました。


番組の最後で林さんはこう言います。

「Pepperが来ることによって、少しでも家庭が明るくなる。どういう方法でもいいです、Pepperが来れば明るくなる。そういうロボットにしたいと思ってます。」

世界初の感情を持ったロボットPepper。林さんたちは今後も開発を続けます。

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▽ソフトバンク Pepper
http://www.softbank.jp/robot/special/pepper/


なお、テレビ東京ビジネスオンデマンドに加入すると、放送後の番組もノーカットで見ることができます。今回のブログに書ききれなかった内容も見られますので、気になる方は以下からどうぞ。

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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