ロボットの発話調整が簡単に!イサナドットネットが「Citrus Rams」の無償版提供を開始!
8月11日(火)、Pepperのアプリ開発などを手がけるイサナドットネット株式会社が、ロボットの発話調整機能をもったソフトウェア「Citrus Rams(シトラスラムス)」の無償版の提供開始を発表しました。Pepperアプリのデベロッパー界隈で「これは使える!」という声が飛び交っているこのソフトウェア。果たしてどのような機能を持っているのでしょうか?
Citrus Rams(シトラスラムス)とは?
コミュニケーションロボット向けアプリケーション開発においては、その発話内容だけにとどまらず、その発話のアクセント、イントネーション、発音と発音の間(マ)などが、ユーザーに与える印象や理解度を大きく左右します。同じ「おはようございます」でも、言い方次第で、楽しそうだったり、丁寧だったりと印象が変わってきますよね。
これまでに開発されてきた、ほぼすべてのロボットアプリ開発の中で「発話機能」は使われており、ロボットアプリを開発する際には、そのコンテンツの品質を向上させるため、プログラム開発以外にセリフ・モーションなどの作成・調整に多大な工数が必要となります。Citrus Ramsの発話調整機能はセリフ作成・発話調整・発話チェック作業などをブラウザ上で完結させる事が出来る他、複数人数で同時に作業をすることを可能とし、ロボットアプリケーションの開発のスピードを大幅に向上させる事が可能です。作業者は、プログラム部分・コンテンツ部分で担当を分ける、場面毎、言語毎に分担するなど担当箇所を柔軟に分割する事が
可能です。
Citrus Ramsの使い方
1.アカウント作成と利用申込
メールアドレスとパスワードを設定しアカウントを作成後、Citrus Ramsの利用申込をおこないます。(Facebookアカウントでもログインが可能です。)
2.音声生成アプリのzipファイルをダウンロード
利用申込後にログイン後、ダウンロードページに飛び、音声生成アプリのzipファイルをダウンロードします。
3.ダウンロードしたファイルを開発ツールで開く
Pepperの場合にはChoregrapheを使用します。開発ツールでファイルを開いた後、指定箇所にアクセスキーとアクセスパスを入力します。アクセスキーとアクセスパスは、Citrus RamsのWEBページ内、「アカウント」から確認できます。
4.Pepperに接続し、Citrus Sayを実行します
この際、バーチャルマシン (自分のPC上のシミュレータ) につないでも音声は作成されないので、ご注意ください。
5.Citrus RamsのWEBページから「新規作成」を選択し、音声を作ります
声の高さやスピード、間などを簡単に調整することができます
6.登録をするとすぐに音声が再生できます
使い方もシンプルで簡単でした!
また、「Pepper語を公開する」ボタンを押すと、共有音声としてCitrus Rams内に格納されていきます。共有音声は利用登録をおこなった方であれば誰でも使えるようになります。よく使われるようなものを作成した場合には、ここでシェアをしておくと、デベロッパー皆様のロボットアプリ開発の効率がぐんと上がりそうですね!
Citrus Ramsは、これら以外にも以下の特徴を持っています。
▽ 多言語での発話作成・管理が容易に
Citrus Ramsは多言語コンテンツの作成に対応している為、多言語のセリフを見比べながら作成・調整を行う、言語毎の担当で並行して作業を行うなど、多言語アプリケーションが効率よく作成出来ます。
▽ 最小限の設備投資を実現
当ソフトウェアの利用にはロボット本体が必要となります。通常、発話作成作業者を追加するには、通常ロボット本体を追加する必要がありましたが、Citrus Ramsではロボットの追加無く作業者追加が可能ですので、設備投資も最小限で済ませることが出来ます。
有料版では、こちらの動画のように発話以外の調整も簡単におこなうことができるようです。ロボットアプリデベロッパーの皆様は、あわせてチェックしてみてください!
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。