【記者発表会速報2】ロボホンに搭載されるアプリと、ロボホンに関する高橋智隆氏のコメント

17個の標準アプリと追加アプり

ロボホンは、Pepper等と同じように、アプリを追加することで新しいことができるようになっていくロボット。記者発表会でデモ公開されたアプリは「ロボ釣り」「レシピ」「タクシー」「グルメ検索」「クイズ」の5種類。ロボ釣りは、ユーザーの仕事中などにロボホンが釣りをして遊んでいるというアプリで、実用性ではなくロボホンに対する愛着が湧いてくるような設計になっている。ロボ釣りは「鷹の爪団」のプロデューズなどを手がけるDLEが開発を行った。

CAFE02
また、レシピアプリは、対話の中で「そのレシピ教えて」「スタミナ料理食べたい」と言うと、ロボホンが細かい工程を会話とプロジェクターで投影した画像を通じて教えてくれるというアプリだ。これらのアプリの他に、電話・メール・カメラ・地図といったような基本アプリが購入時に17個搭載されており、先に挙げた5種類のアプリのような追加アプリはダウンロードでロボホンに導入していくことができる。追加アプリは6月末からダウンロードができるようになる。

これらのダウンロードアプリについては、現在のところ有料でのダウンロードではなく、基本プランであるココロプランの月額料金の中に提供費用も含まれている。

ロボホンのアプリ開発における開発環境は一旦デベロッパー企業のみに提供され、一般ユーザー向けのSDKの公開は今の所予定されていない。デベロッパー希望者は、ロボホンのサイト内に設置されたフォームから申し込むことができる。(※4月14日14時現在、403エラーとなり閲覧ができない)



高橋智隆氏「愛着の先に新しい機能が生まれてくるのではないか」

robohon_happyokai_main
ロボホンのデザインを行ったロボットクリエイターの高橋智隆氏は、今回の記者発表会にて以下のようなコメントを残しました。

今回、私はデザインや動作プログラミングを担当しました。昨今、クラウドファンディングやベンチャー企業が様々なアイディアを出し合いながらクリエイティブな製品を生み出すということが増えてきました。問題は、それではニッチなアイディア商品というレベルになってしまうことです。

ロボットは広範な技術を必要とするとても難しい領域で、個人のアイディアレベルでは実現することが難しい中、この度ロボホンを大規模に開発することができ、発売に至りました。個人的には初代iPhone並みのイノベーションだと考えています。

こういったチャレンジを大企業なのにやってしまうというのがシャープさん。これまでにも様々なイノベーティブな製品を作られてきました。寝食を忘れて開発に勤しんでくださった開発メンバーに感謝しています。

さて、ロボットとスマートフォンを融合するに至った背景を述べたいと思います。これまでにも私含め、多くの方々がロボットを作ることにチャレンジしてきました。しかしながらロボットは未だに普及したとは言えない状態です。理由は、十分な性能のロボットがなかったことです。耐久性や機能のバランスが取れたロボットがありませんでした。そして、ロボットを一体どこで買って、暮らしの中でどうやって使うかがわかりませんでした。

一方、スマホに足りなかったものの1つは将来性です。すでに十分に普及してしまって、今から大きな変化が望めなくなりました。2点目に愛着です。スマホは、肌身離さず持ち歩くにも関わらず、愛着を抱いている人はほとんどいません。

このような、「ロボットの足りなかったところ」、「スマホの足りなかったところ」を融合させたのがロボホンです。しかも、ただの足し算ではなく飛躍的に進化させました。ロボットが何に使えるかということがこれまでわかっていませんでしたが、実は情報通信端末の延長線上に存在したわけです。ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのように、ピーターパンのティンカーベルのように、小さな物知りな存在が主人公にアドバイスをして助けてくれる。そんな相棒のようなロボットがロボホンです。

そのためには、細かいところにこだわり続ける必要がありました。例えばデザイン。ロボホンのデザインは一般的な工業製品や家電製品とは意味が異なります。人間が違和感がないように作られたデザイン、ユーザーエクスペリエンスを大切にしています。

サイズが小さいということも非常に大切です。これまで誰もロボットを小さくしたいとは言わなかったんですよね。どちらかというと人間サイズのロボットを作るためには、という方向性の話が多くありました。しかし、実はロボットは小さいことに価値があります。大きいと安全性の問題もありますが、期待値もサイズとともに大きくなってしまい、その期待値を下回ると相対的におバカに見えてしまうという欠点があります。だからこそロボットは小さくするということに利点があるのです。

デザインを完璧に仕上げることによって、ロボットに対する愛着が生まれます。人の感性はとても繊細なので、細かいところまでこだわりました。私は、愛着の先にロボットの新しい機能が生まれてくるのではないかと考えています。

2000年後半にスマホが登場し、ガラケーとスマホの2台持ちを始めました。今度はスマホとロボホンの2台もちが始まると思います。その先にスマホと同様に、ロボホンも1台持ちになっていく。そんな未来を、新体制となるシャープさんが世界中に広めて頂けるのではないかと期待しています。末長く応援して頂ければと思います。

次の記事では、ロボホンの機能の詳細をご紹介していきます。

ABOUT THE AUTHOR / 

望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

PR

連載・コラム