家庭向けコミュニケーションロボット「タピア」に最高水準の音声認識技術が搭載

コミュニケーションロボットの企画・開発・販売を行う株式会社MJIは、現在開発中である、家庭向けコミュニケーションロボット「タピア」の音声認識機能に、株式会社フュートレックの音声認識技術「vGate」を採用したことを発表した。

「タピア」は、人の会話や行動から利用者の生活を学習し進化する家庭用コミュニケーションロボット。高さ約25cmの持ち運びが可能なタピアには、クラウド上の応答システムが導入されており、様々な日常会話を楽しむことができる。

タピアは、応答が一定時間ない場合に家族へ通知する「みまもり」をはじめ、電話、ビデオ通話、写真撮影、ニュースの読み上げなど、音声によるかんたん操作が可能な「生活支援」、会話のペースや内容によってタピアの応答が変化する「会話」といった3つの特徴を持っており、フュートレック社の音声認識技術導入には、タピアには不可欠な「コミュニケーション力」を高める狙いがある。

コミュニケーションロボットは様々な要素技術により成り立っているが、中でも音声認識技術は会話の聞き取りには欠かせない技術。いかに優れた会話エンジンを持っていようと、相手が何を喋ったのかをきちんと言葉として認識しないことには会話は成立しない。

MJIは、タピアのその重要な音声認識の領域に、特に技術力の高さに定評があるフュートレック社の「vGate ASR」を採用した。「vGate ASR」は、フュートレックの音声言語関連技術を使ったソリューション「vGate」の中の音声認識技術。音声関連技術研究のパイオニアであるATRとNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)の要素技術を活用して、共同研究の末開発された。タピアには、vGate ASRのうちの「サーバー型」と呼ばれるモデルが採用されることが決まっている。vGate ASRのサーバー型は、バックエンドサーバーにて音声認識処理を実行することにより、大量の語彙を認識することができる高性能な音声認識システムだ。これによりタピアの音声認識力が急激に高まることが期待されている。

MJIは、「高齢化社会や単独世帯の増加が見込まれるなどの、ライフスタイルの変化に適応するべく、新しい技術を取り入れることにより、人々の生活をサポートするコミュニケーションロボットの商品力を高めることを目指します」と、今回の技術導入についてコメントしている。

コミュニケーションロボットという新しいインターフェースに、最先端の技術が着々と導入され始めている。様々な会社や研究機関が関わることで、より高度なコミュニケーションが可能なロボットが、各家庭に広まっていくことに期待したい。

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望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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