株式会社DMM.comは、感情認識ロボット「Tapia(タピア)」を、DMM.make ROBOTS サイトにて 4月28日(木)より予約受付を開始し、6月中旬より発売することを発表した。価格は98,000円(税別)。
「タピア」は東京・港区に拠点を置くロボットベンチャーMJIによって開発された、AIシステムを搭載した対話型のコミュニケーションロボット。白を基調とした、スタイリッシュな丸みを帯びたデザインをもつタピアは、高さ24.5cm、重さ2.5kgと小型軽量のため、屋内での持ち運びも簡単に行うことができる。
タピアには、カメラやスピーカー、マイク、タッチパネルモニターの他、音声認識、音声合成、顔認識といった対話に必要な機能が網羅的に搭載されており、クラウド上の応答AIシステムと連携することで自然な対話を楽しむことができる。そして、コミュニケーションの中でユーザーの喜怒哀楽や気分の浮き沈みを認識可能なため、ユーザーの気分に沿った言葉を投げかけることができるのも特長の一つだ。
DMMは、MJIから国内における「タピア」の優先販売権を取得しており、まずは初回生産300台の予約販売を開始する。初回生産分で予約を行うと、「タピア」の非売品オリジナルグッズが付いてくる。さらに、DMM.make ROBOTSでタピアを購入すると、1年間の無償修理サポートサービスが受けられるということもユーザーにとっては嬉しい特典と言えるだろう。
DMMは、販売提携をしているAmazonやイオンリテール、ハウステンボスなどの一般消費者向け販売網を通じて、「独居世帯」、「アクティブシニア層」、「核家族」、「単身者」に対して拡販・普及させていきたいと語る一方で、企業向けにもタピアを普及させていく方針を打ち出している。コミュニケーションロボットの需要が特に高いと言われる「企業の受付業務」や「接客業務」でのタピア導入を促進するために、ロボット事業で提携中の大手コンサルティングファーム「PwC」とともに企業向けの販路を開拓していく狙いだ。企業への導入が進んでいる「Pepper」や「Palmi」、「Nao」といったコミュニケーションロボットに続く存在として、どこまで企業に認知させていけるかがポイントになるだろう。
DMMはタピアの予約開始の発表とともに、7月16日からグランドオープンするハウステンボス「ロボットの王国」の「変なレストラン」にタピアが導入される予定があることも明かした。タピアは、卓上ロボットとして各テーブルに設置され、お客との会話や空席管理、注文補助といった業務を担っていく。ハウステンボスという、年間300万人が訪れるテーマパークの一角で実証実験を行っていくため、対話AIが飛躍的に進歩していくことが期待されている。
ロボスタでも追いかけてきた「タピア」がいよいよ販売される。日本発のロボットの一つとして、世界中で広く活躍していくことに期待したい。
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。