大阪大学が人工知能講座を2017年4月から開設、他大学や企業にカリキュラム提供へ。試行カリキュラムはパナソニックと

国立大学法人大阪大学は、人工知能技術とそのビジネス応用に関する人材開発を共同で行う人工知能共同講座の開始を、6月21日付けで合意したことを発表した。人工知能分野において、大学と産業界による共同講座の実施は国内初の取組みとなる。

本講座は、2016年6月22日からパナソニックの技術者を対象とした試行カリキュラムを開始。2017年4月からは、大阪大学の学生や本取組みに賛同する他の企業や大学に対しても、カリキュラムを提供する予定だ。

講座開設の背景にあるのは、近年のIoT、ビッグデータ、人工知能等の情報技術革新の急速化だ。これらに関する技術やビジネスを担う人材ニーズが高まっており、パナソニックでも、人工知能を使いこなし、それを生かした新しいビジネスモデルによる製品やサービスを生み出す人材を創出することが急務になっている。

一方、大阪大学では、情報科学研究科を中心に、従来の情報科学に関する基礎的なカリキュラムに加え、近年の情報技術革新を踏まえた、ビッグデータ、ビジネス情報システム、知能推論、知識科学、知能アーキテクチャ等のカリキュラムの拡充を進めている。今回の講座開設は、まさしく双方の思惑が合致した形だ。

カリキュラムは、人工知能だけでなく、ビッグデータの活用によって技術課題・社会課題を解決するための講座も用意されている。

パナソニックで行われる試行カリキュラムでは、データマイニング基礎講座及び機械学習基礎講座(各、2.5時間、10回、6ヶ月)を、パナソニック内の人工知能研修施設(Panasonic AI Hub)にて、同社の技術者向けに開始する。

大阪大学は、本カリキュラムの料金体系はまだ決まっておらず、試行カリキュラムを実施していく中で固めていくとしている。

発表されているカリキュラムは以下の通り。

・人工知能技術統合カリキュラム
散在する人工知能技術に関する講義を1本化した、オープンな人工知能カリキュラムの構築

・データ利活用基盤の共同推進
実証実験を通じた、データ利活用における技術課題・社会課題の解決

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望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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