作物の危険を農家よりも早く察知するイスラエルの農業用ロボットシステム「Prospera」が話題に
イスラエルの農業用ロボット「Prospera」が、農家よりも早く、作物の危険をを察知できると海外で話題だ。
せっかく作った野菜が気づかないうちに害虫に食べられてる…といった悩みは農家にとって深刻な悩みの一つ。そして他の野菜にも悪影響を与えるウイルスに侵されてしまえば、頑張って育てた作物も一瞬にして出荷することができなくなってしまう。
そんな中、これらの悩みを解決する「Prospera」というロボットシステムが、イスラエルの「Prospera Technologies」によって開発された。
国土の50%以上が砂漠に覆われており、降雨量も少なく食物が育てにくい環境だったイスラエルは、1960年代に独自の灌漑技術を開発。その技術が普及するにつれ、1948年には20万haしかなかった農地面積も2012年には70万haへと成長を遂げた。結果、イスラエルの食物自給率は95%まで達しているという。
そして、近年イスラエルは新興のテクノロジー企業が急増していることで、世界のスタートアップ界隈でも注目される存在だ。
地理的背景、そして技術的な急成長を考えると、今回のロボットシステムがイスラエルで開発されたことにも合点がいく。
「Prospera」は、カメラやセンサーを使用して、作物がウイルスに侵された時には、アラートとその理由をアプリを通じて農家に伝えてくれる。植物の健康に関する数十万ものデータポイントを収集し、害虫や病気、栄養不足、および気候に問題が生じていないかなどをセンサーを通じて見つけてくれる。
機械学習で学習された情報と照らし合わせることで、「カリウムやマグネシウムが欠乏している」といった目には見えない情報を、浮かび上がらせることができる。
プロスペラのシステムには、ソーラーパネルが付いており、自身の電源を確保することができる。価格はまだ明らかにされていない。
何かが不足した状況だからこそ、その課題を解決する技術が生み出される。発展途上国からは、今後も、先進国では思いつかないような新たなテクノロジーがたくさん生まれてくることだろう。
Prospera(https://www.prospera.ag/)