【CEATEC JAPAN 2016レポートvol.2】 ロボット×AI「ロボピン」がいっぱい 富士通ブースでIoTとクラウドAIロボット体験ツアーを実施

CEATECの富士通ブースでは同社が開発中のAIロボット「ロボピン」を多数展示しています。ロボピンは7月に東京国際フォーラムで開催された富士通のイベントでお披露目された6自由度の小型のロボットです。

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展示ブースのステージにも3~4台のロボピンが並び、ロボピンの存在感は抜群です。
今回の富士通ブースとロボピンのコンセプトについて、富士通研究所の清水氏に聞きました。

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株式会社富士通研究所 応用研究センター ロボティクス推進室 室長 清水雅芳氏

ロボスタ

ステージにもロボピンがたくさんいて目立っていますね。どのようなステージ内容なのでしょうか。

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清水氏

ステージではMCとロボピン3台が掛け合いをします。会話ができることを観ていただくものです。
展示ブース内にも4台のロボピンがいます。来場したお客様にスマートフォンをお貸し出しして、展示内容を見ながらロボピンを巡ってブース内を歩いていただく体験ツアーを実施します。

ロボスタ

受付でスマートフォンを借りての体験ツアーですね。スタンプラリーのような感じですか?

清水氏

そうですね。ロボピンは展示がおもしろかったかどうかを来場者の方に伺いますので、面白かったらスマートフォンを振っていただく、そんな趣向の体験ツアーです。面白かったという盛り上がり具合によって話す内容が変わります。
また、ロボピン同士が通信していますから、前のロボピンでの盛り上がり具合を次のロボピンは把握していますので、お客様が次のロボピンに着いたときには「前の場所はすごく盛り上がっていましたね」と話しかけます。このようにロボット同士が連携して対応するところも見どころのひとつになっています。

ロボスタ

ロボットの連携とは面白いですね。会話をした情報やその様子が、次のロボピンにも共有されていて、次のロボピンとの会話ではそれを反映した内容を体験できるわけですね。まるで先回りされているみたいな(笑)

清水氏

単にクラウドとの連携だけでなく、IoTとの連携やロボット同士の連携を体験していただけるよう工夫しています。
ICTのポイントはやはり「情報」ですから、ロボットやデバイス間を瞬時に情報が伝わり、共有することで、来場者の方にも今まで以上に質の高いおもてなしができるようになるのではないかという提案です。

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ロボスタ

なるほど。ロボピンは販売も間近になってきていますか

清水氏

まだ販売する段階ではありません。ただし展示会でもPRをしていますし、グループ会社での常設展示もはじまっていますので、今後の展開はこれから具体的に考えていくという段階です。

ロボスタ

ロボピンと人工知能の繋がりはどのようなものでしようか

清水氏

ロボピンは端末ですので、ロボピン自身のAIというよりクラウドAIとの連携です。
人間の頭脳は身体の中にありますが、ロボットの頭脳はクラウドにあります。お客様からはロボットにAIが搭載されているように見えますが、実際にはAIクラウドとの連携やIoTなどとの通信によって如何にサービスが作れるかが重要ですし、その方向で世の中の開発が進んでいることも今回は展示したいと考えました。

ロボスタ

なるほど。ロボピンのデザインは特徴的ですが、コンセプトについてお伺いできますか

清水氏

ポイントは2つあります。ロボピンは名前の通り、ピンがモチーフになっています。地図アプリなどの目印にするあのピンです。それは地図アプリのピンのように場所を示して人々を案内するという意味合いがあります。
もうひとつ「ロボットにとって何が大事なのか、スマートフォンやタブレットとどう違うのか」と聞かれた時、「感情が表現できて、ディスプレイとは違った体験ができること」という回答があると考えています。
形があって感情を表現するにはどれだけの構造が必要かを考えるとともに、どこまでシンプルにできるかを突き詰めてたどり着いたデザインです。

ロボスタ

目がひとつあって、目の周りが光って、指し示したり、喜びを表現するために手は最低限に必要だと言うことですね・・

清水氏

例えば「ありがとうございました」という気持ちを伝えるのに、腰から上だけでなく全身が動いた方がいいし、関節を足許にひとつつければ深くお辞儀できる、だからこのような構造になっています。関節の配置も必要最小限に抑えています。

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ロボスタ

ロボピンならではの特長をあげるとすればどこでしょうか

清水氏

これだけのシンプルな構造でこれほどの感情表現ができるという点と、複数のロボットやIoTと連携している点ですね。

ロボスタ

どうもありがとうございました。


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ロボスタ編集部

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