10月5日、Googleは今年の春に発表された音声アシスタントデバイス「Google Home」の価格が129ドルであること、そして出荷日が11月4日であることを発表した。
音声アシスタントデバイスとしては、2014年に発表されたAmazon Echoが先行している。すでにアメリカでは300万台以上販売されているという調査結果も出ており、同国では一つの地位を確立している。「Amazon Echo」には、Amazonのパーソナルアシスタントである「Alexa」が搭載されているが、そのAlexaには追加機能「スキル」を付与していくことができる。スキルの開発プラットフォームは大きな広がりを見せており、すでに3,000ものスキルが開発されているという。
「Google Home」と「Amazon Echo」を比較してみる
「Google Home」は直径96.4mm・高さ142.8mm・重さ477g。
一方「Amazon Echo」は、直径84mm・高さ235mm・重さ1,064g。
比較すると少しだけ「Google Home」の方が小さいことがわかる。Google Homeの価格は129ドルで、Amazon Echoの価格は199ドル。Google Homeの方が、Amazon Echoよりも70ドル安い。
アシスタント機能としては「Amazon Echo」には「Alexa」が搭載されているが、「Google Home」には「Google Assistant」が搭載されている。
「Google Assistant」とは
「Google Assistant」は、Googleが提供している「パーソナルアシスタント機能」だ。
現在でも、スマホアプリの「Google Allo」などから、機能の一部を試すことができる。
予定の管理をしてくれたり、天気予報などの日々利用するデータを教えてくれる他、例えば「北野武について教えて」と聞くと、北野武に関する情報を教えてくれる。そして「彼の身長は?」と聞くと「身長は165cmだよ」と教えてくれる(現在は英語のみ対応している)。
ポイントは、文脈から「彼」というのが北野武のことであることがわかっていることだ。Appleの「Siri」は、このような会話の流れの中で「彼」が誰かを理解してくれない。つまり、Google Homeは、Siri以上に自然な会話を行うことができるのだ。
また、Google Homeは、家電の操作も行うことができる。「Nest Thermostat」、「Philips Hue」、「Samsung SmartThings」など、幾つかの対応家電もすでに発表されており、「Ok,Google. Turn on the light.」と話しかけるだけで、電気をつけることができる。
気になる日本発売に関する情報はまだ発表されていないが、日本語で書かれた公式ページは公開されている。ただし、「Google Allo」に搭載されている「Google Assistant」に日本語で質問をすると、「すみません、日本語はまだ勉強中です。今はかわりに、グーグルを使って検索致します」と回答が返ってくることからも、まだ日本語対応は先になる可能性が高い。
「Amazon Echo」も日本語には対応していない。そうなると、気になるのは日本語対応の音声アシスタントデバイスの存在だ。
シャープのホームアシスタントとは?
先日、「CEATEC JAPAN 2016」で、シャープが「ホームアシスタント」という音声アシスタントデバイスを発表した。2017年前半の発売を目標に開発されており、会話によって家電の操作やコミュニケーションがとれる他、赤外線通信(リモコン)を基本にして、テレビや照明、エアコンのオン/オフ、室温調整、メールの送受信等、様々な家電やIT機器をコントロールすることができる機器となる。
当然日本語での操作が可能なため、Google HomeやAmazon Echoの日本国内での普及が遅れるほど、先行してシェアを取れる可能性は高まる。
また、これらの二つの製品との違いは、目のような部分が付いていることだろう。ロボット業界の有識者の方々に話を聞くと、「日本人は海外でよく使われているSiriを使用しない。その原因は無機質なものには話しかけないからではないか」という意見をよく聞く。つまり、Amazon EchoにもGoogle Homeにも、日本人は話しかけるのを躊躇するのではないかということだ。シャープのホームアシスタントに目が付いているのは、そんな日本人の特性を理解した上での判断かもしれない。
Amazon Echoが先行するこの分野で、どこまでGoogle Homeがシェアを伸ばしていけるのか。そして日本の市場を席巻するのはどんなデバイスになるのだろうか。少なくとも、Google Homeの登場は、アメリカ国内では大きな影響を与えることだろう。