NVIDIA と Audi、AI 搭載自動車の開発で提携! 2020年の路上走行実現へ
NVIDIAとAudiは本日、10年にわたる両社のパートナーシップを本格化させ、2020年の路上走行実現に向け最先端のAI搭載自動車の共同開発を進めることを発表した。
CESのオープニングの基調講演に登壇したNVIDIAの創設者兼CEOであるジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)氏は、Audiのアメリカ法人Audi of Americaの社長であるスコット キーオ(Scott Keogh)氏をステージに迎え、 運転の複雑さを解消するためにAudi車の今後のモデルでディープラーニングが採用される予定であると述べた。
この新たな提携の第1段階では、自動運転車向けAIプラットフォームNVIDIA DRIVE™ PXに焦点を合わせ、トレーニング済みのAIニューラルネットワークを利用して周辺環境を把握し、安全な進路を事前決定できるようになることを目指す。
フアン氏は次のように述べる。 「NVIDIA は、 ディープラーニング型 AI による交通改革を率先して進めています。 Audiが当社のAI搭載自動車向けDRIVEコンピューティングプラットフォームを採用することで、次世代の自動運転車の普及が加速されるはずです。これにより、運転の安全性が高まり、新たなモビリティサービスが誕生する未来へと近づくことができるでしょう。」
また、キーオ氏は次のように述べる。「Audiのドライバーはパフォーマンスとテクノロジの頂点を知っています。路上走行の安全性向上に向けた両社の共同研究において、AudiとNVIDIAのパートナーシップをディープラーニングや人工知能へと拡大することで、より高度な自動運転車の路上走行を早期に実現したいと考えています。」
CES2017の目玉の1つは、Audi Q7コンセプトカーのデモだ。来場者は、運転席が無人の自動運転車の後部座席に試乗できる。
DRIVE PX 2 を搭載し、NVIDIA DriveWorksソフトウェアを実行するQ7には、ディープ ニューラルネットワーク「NVIDIA PilotNet」が採用されている。NVIDIA PilotNetは、変化する周辺環境を認知して理解しながら、安全な走行を実現するという。コースはデモ中に変更され、さまざまな路面を体験でき、車線が引かれていない箇所や、迂回が必要な工事区間などのシミュレーションも用意されている。
フアンは基調講演で、AIがドライバーのニーズを予測するしくみ(朝の通勤時と夜の帰宅時の運転、ガレージの扉の自動開閉、個々の好みに合わせた車内環境の調整) のほか、自然な会話の言語で要求を理解し、対応できるしくみについても説明した。
CESでNVIDIAとAudiが最初に揃って登場したのは今から7年前に遡る。両社は当時発表したテクノロジーパートナーシップを着実に拡大してきた。その成果には、受賞歴のあるAudi MMIナビゲーションやAudiバーチャルコックピットなどがあり、それらは現在、Audiの各種セダン、SUV、スポーツカーで幅広く提供されている。また、今後数か月のうちに、Audiは最新の「A8」をロールアウトする予定だ。zFASを利用したTraffic Jam Pilotシステムを採用し、世界初の「レベル3」自動運転車であるA8には、NVIDIAのハードウェアとソフトウェアが搭載されている。
両社が生み出す自動運転車に世界中の注目が集まる。