ソフトバンクグループは、小中学校でのプログラミング教育を支援するため「Pepper」を、公募の中から選ばれた全国17自治体の公立小中学校、282校に約2,000台規模で無償貸し出しを行うことを発表した。
「Pepper 社会貢献プログラム」のひとつ「スクールチャレンジ」として実施する。
貸し出しは本年4月から3年間。Pepperのほか、プログラミングに必要なパソコンや、Wi-Fiなどのネットワーク環境も無償貸与、合計9万1,000人の児童や生徒がプログラミングを学ぶ見込みだ
2020年には「プログラミング教育必須化」が予定されており、このプログラムはそれに先駆けて、児童・生徒の「論理的思考力」や「問題解決力」、「創造力」などの育成に貢献することを目的としている。支援総額は約50億円となり、これまでの同社の社会貢献活動としては最大規模になると言う。
記者説明会ではソフトバンクグループ株式会社の代表取締役副社長 宮内 謙氏が登壇し、「ロボットとAIによって教育のパラダイムシフトが起こる」とし、ビジュアルで操作しやすい「コレグラフ」でPepperを実際に動かすことが子供たちの発想の原動力になるとした。
また、来年の2月にはコンテスト「Pepperプログラミング全国大会」を実施する予定で、優勝者は米国シリコンバレーに招待することを発表した。
ソフトバンクと立命館が教育分野における包括連携協定を締結
また、同時にソフトバンクグループは、学校法人 立命館と教育分野における包括連携協定を締結したことも発表。初等中等教育におけるICT活用の促進と教育環境の整備および質の向上を目的とする。
立命館は今回のスクールチャレンジの教材開発やカリキュラム作成等にも協力している。
2016年6月にソフトバンクロボティクスの協力のもと、立命館小学校の3年生を対象にPepperのソフトウエア開発キット「Choregraphe(コレグラフ)」を使ったプログラミング授業を既に実施した経緯があり、そのときの経験と知見を活かして、PepperをICT教材として活用していく予定だ。
コレグラフによるPepperのプログラミング従業を疑似体験
記者発表会には子役女優として人気の谷花音ちゃんが駆けつけ、スクールチャレンジを想定した授業を受講した。
花音ちゃんはコレグラフを使い、Pepperを動作させたり発話させるプログラミングを体験した。Pepperは花音ちゃんがパソコンで指示した通りに話したり、手を広げたりお辞儀したりして会場は和んでいた。
【スクールチャレンジに参加する自治体と学校数】
北海道西天北5町連合13校
福島県南相馬市18校(市内全校)
栃木県下野市8校
東京都港区16校
東京都狛江市8校
東京都町田市21校
岐阜県岐阜市39校
静岡県掛川市11校
静岡県藤枝市27校(市内全校)
愛知県一宮市27校
滋賀県草津市15校
大阪府池田市15校(市内全校)
兵庫県神河町5校(町内全校)
和歌山県かつらぎ町7校(町内全校)
岡山県新見市22校(市内全校)
福岡県飯塚市14校
佐賀県武雄市16校(市内全校)
【ソフトバンクと立命館の主な連携内容】
教育分野でのICT活用促進と環境整備
ICTに関わる知識、技能などの育成
上記のための知的、人的交流
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。