Pepper用失語症者向けリハビリアプリ「ActVoice for Pepper」を活用したリハビリサービスを君津中央病院で運用開始 ロボキュア

Pepper用アプリ開発やスマホ・タブレット用アプリの開発を手掛ける株式会社ロボキュア(以後ロボキュア)は、Pepper上で動作する失語症者向けリハビリアプリ「ActVoice for Pepper」と、リハビリを管理できるPC用アプリ「リハログ」の提供を開始。国内初の導入先として千葉県の国保直営総合病院君津中央病院での運用を始めた。

失語症とは、大脳の言語中枢が何らかの損傷を受けることによって、言語を操る能力に障害が残った状態を指し、脳卒中による発症が多く、誰でも突然になりえる症状で、回復のためにはリハビリが不可欠だが、長期間を必要とするとのこと。

しかし現在の医療保険制度では病院で長期的に言語訓練を受けることは難しく、また介護保険では、慢性的な言語聴覚士不足から、失語症者が言語聴覚士と一対一でゆっくり向かい合って行う言語訓練が受け難い。

そこで同社では、ロボット対話および失語症のリハビリアプリ開発に知見の深い千葉大学工学部の黒岩眞吾教授との共同研究を開始し、「より効果的かつ楽しいリハビリを無人で実現する」ことを目標に人型ロボットPepperを使ったリハビリシステムの提供に至った。



「ActVoice for Pepper」および「リハログ」の概要

ロボキュアが提供するのは、Pepper用リハビリアプリ「ActVoice for Pepper」と、言語聴覚士が患者ごとの訓練設定やリハビリ状況の確認ができるPC向けアプリ「リハログ」だ。

Pepper用リハビリアプリ「ActVoice for Pepper」

呼称訓練といわれる「絵を見て、それが何であるかを回答する」訓練を行う。患者は症状に応じてコースの難しさを選び、胸部タブレットに表示された絵が何であるかを声で回答。
難易度を上げるほど、明瞭な回答でないと正解にならない仕組みだ。また、表示する絵は患者の症状の度合いに合わせて選ぶことが可能となっている。

君津中央病院では既に複数患者での実証実験を行い、訓練を行った語に改善が確認されている。

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ActVoice for Pepperの訓練フロー


PC向けアプリ「リハログ」

言語聴覚士が活用するPC用アプリ。リハログを活用することで、Pepperでのリハビリ状況を随時正確に確認することが出来る。また必要に応じて訓練内容の調整も可能。

また、「リハログ」では患者の訓練データを収集・分析し、リハビリによる改善状況の把握や患者の症状を正確に把握できるとのことだ。

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リハログの活用方法



関係者のコメント

君津中央病院言語聴覚室:言語聴覚士・村西幸代氏

「リハログには正答に至った単語とそうでない単語や言い誤り方が記録として残されているため、呼称訓練中に同席出来なくても、後からしっかりとフィードバックをする事が出来ます。また正答率を元にパソコン操作1つで簡単に訓練カードの入れ替えも出来ますので、今まで時間を要した絵カード探しの手間が省けてとても便利です。

ロボキュア代表:森本暁彦氏

直近のActVoice for Pepperおよびリハログの導入先としては、病院やリハビリ施設を予定しています。現状では訓練内容も限られていますが、今後より多くの方に利用していただけるように開発を続けていきます。当社のアプリを使えば、反復練習で効果が期待出来るような訓練においては、言語聴覚士がやらなくてもよくなります。そして、練習内容をICT機器の得意とする側面と言語聴覚士にしか出来ない側面とに分ける事で、失語症者に効率の良い、質の高い言語訓練が提供できます。また導入先が増えてリハビリデータが更に集まってくることで、これまでになかった事実が分かってくると考えています。将来的には、患者と病院が自宅でロボットを介してつながるような形を模索していきたいです。」


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ロボスタ編集部

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