Pepperを誰でも簡単に操作できるようにしたい
Pepperともっと自然な会話ができるようにしたい
高度なチャットボットとPepperを連携したい
こんな要望に応えるためのサービスを目指して、フライトシステムコンサルティング(以下フライト社)と株式会社ジェナがクラウドサービス「Scenaria(シナリア)」を2月8日、東京虎ノ門で共同発表した。
フライト社の片山氏は「プログラムを書くことなく、選択するだけで、Pepperにセリフや動きをさせることができる」と、エンジニアや担当者でなくても、誰でもPepperの動作を作ることができる点を強調した。
また、シナリアの特長の2点めとして、Pepperの対話には限界があり、もう少し高度な会話を望む声が高いが、そこをIBM Watsonと連携したAIチャットボットソリューション「hitTO(ヒット)」を活用することで、Pepperにチャットボットの機能を取り込み、高度な会話が可能になったことをあげた。
シナリアの概要
シナリアは、Pepperの法人向けモデル「Pepper for Biz」に関するプログラムを、WEBブラウザによる操作だけで開発が可能なジェナと共同開発した。また、今回Scenariaを事業化するためにジェナと業務提携を締結したことも発表した。
「Pepper for Biz」は、導入した企業で効果的な活用を行うにはタイムリーな更新が重要となる。例えば多店舗を有する小売業では、イベントや新商品の入荷にあわせた商品紹介の増減、キャンペーン時の特殊対応など、運用する中でタイムリーなコンテンツの更新が求められている。
同社は、その実現のために社内のシステム部門に頼らず、アプリ開発の経験が無いビジネスの主管部署でもコンテンツの更新ができるソリューションが重要であるとして、Scenariaの開発を行った。
Scenariaは、日々のコンテンツ更新を低コストでプログラムレスに開発できるクラウドサービス。更に、ジェナのAIチャットボットソリューション「hitTO」と連携することにより、顧客からの問いかけに対し適切な回答を 生成することにより、様々な接客シーンにおける自動応対を可能にした。同時に、多店舗展開企業のロボット導入時のアプリケーション開発における課題も解決される。
ジェナは、2016年11月に、IBM Watson日本語版を活用したAIチャットボットサービス「hitTO (ヒット) 」の提供を発表している。ソフトバンクのWatsonエコシステムパートナーとしてWatsonを活用したサービスだ。 hitTOは、ユーザーと自然な対話ができるWatsonを活用したAIチャットボットサービスで、使えば使うほどチャットボットは学習して成長し、導入先企業の特性にあわせた最適な回答を自動生成することが可能になる。
また、LINEと繋がる唯一のビジネスチャットである「LINE WORKS」との連携し、LINEでビジネス向けAIチャットボットを実現している
記者発表にはソフトバンクのIBM Watson事業部門の立田氏も駆けつけた。
「昨年はAI元年と言われていたが、たしかにその通りだった。いろいろなトライ・アンド・エラーがあった。2017年はエラーをなくしてリアルにAIを作っていく年になるだろう。そのときにキーになるのがWatsonであり、このシナリアだ」と締めくくった。
Scenaria販売について
提供方法 | クラウドサービス |
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価格(Enterprise Edition) | 初期費用:50万円(税別)/月額費用:20万円(税別) ・導入にあたり上記以外に、各企業向けのコンサル費用が別途必要。 ・Pepperのプログラム開発費、Pepper本体の購入、保守価格除く。 ・上記は10台までの利用となる。 ・11台目以降は月額5,000円/台、101台目以降は別途見積り。 |
用途 | ユーザー管理機能等の搭載。hitToとの連携版(別途契約が必要)。 |
サービス提供開始時期 | 2017年春 |
■ソフトバンクロボティクス株式会社からのエンドースメント
Chief Business Officer 事業推進本部 本部長 吉田健一
今後、多くのお客様が「Scenaria(シナリア)」を利用し、業務に特化したチャット形式の会話サービスとPepperが連携することで、ロボットによる業務自動化を実現させることができます。PepperとAIの連携により、コミュニケーションの可能性を広げ、ロボットとAIのマーケットを活性化させるものと期待しております。