FacebookがAIアシスタント「M」のリリースを米国で発表した。
利用できるのは米国のみで、iPhoneなどのiOS版と、Android版でのみ有効となる(バソコン版では利用できない)。
「M」はメッセージアプリ「Messenger」での会話の中で利用できる。会話しているところに「M」が現れて、関連するサービスや製品を提案したり、購入や予約などができると言う。
できることを簡単に列記すると、会話に関連する商品やサービスの提案、注文や支払いの会話を解釈して決済の提案、グループチャット中にVote(投票)機能の提案、会話している相手をお互いの場所を確認・共有、スケジュールの調整、LyftまたはUberなど(タクシー)の配車手配など。
現時点では、Mはテキストでの会話のみで、音声会話には対応していない。
また、Mが邪魔だと感じたらユーザーがオフにすることも可能。
Mには機械学習が使われていて、今後も会話データと経験によって精度が向上していくとしている。
AIアシスタント市場は群雄割拠
このように人工知能技術を使って機械が人間の会話の相手をすることを「AIチャットボット」と呼んでいる。例えば、Appleの「Siri」、Googleの「Google Assistant」(OK! Google)、Amazonの「Alexa」、Microsoftの「Cortana」、そしてSamsungの「Bixby」などが知られている。
Facebookは、マーク・ザッカーバーグCEOが、かねてよりAIアシスタントやAIチャットボットこそ次世代の重要技術だとしていて、「M」の開発と実証実験はサンフランシスコ・ベイエリアでは以前から行われていた。しかし、AIのフリをした人間のスタッフが回答しているのではないか、といった疑惑から、不評を買う一面もあった。
今回のリリースがそんな状況を一変させる仕切り直しになるかどうか注目したい。
※ 画像はFacebookが公開したFacebook動画より
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。