ヤフー株式会社は本日、事業者がさまざまなIoT製品やWebサービスを活用してサービスを創出できるIoTプラットフォーム「myThings Developers」の正式版提供開始を発表した。
近年、スマートロックなどのIoTデバイスやコミュニケーションロボットが数々発表されている。これらの台頭により、WEBサービスとプロダクトの距離が近くなってきているが、一つ一つのサービス・製品だけではニーズに対応できていないのが現状だ。そこで必要になってきたのが、それらを連携して活用できる環境。
Yahoo! JAPANは、このニーズに応えるため、自社だけの規格に閉じることなくさまざまなIoT製品やWebサービスをシームレスに連携できるIoTプラットフォーム「myThings Developers」の提供を開始した。
「myThings Developers」は2016年9月よりベータ版として公開していたが、本日正式版を公開。「Yahoo!天気」や「LINE」、「Akerun」をはじめとする40種以上のチャンネルの商用利用が可能になった。さらに本日より、「myThings Developers」にチャンネルとしてAPIを提供するパートナーが、ユーザーのAPI利用に応じて利用料の課金ができる仕組みも提供を開始している。
コミュニケーションロボットに提供へ
今回の発表に際し、「myThings Developers」を採用したプロダクトが一部発表された。
MJI「Tapia」
提供が発表された一つ目のロボットが、株式会社MJIのコミュニケーションロボット「タピア」だ。
タピアは、株式会社MJIが開発し、2016年6月に発売が開始されたたまご型のコミュニケーションロボット。会話機能やニュースや天気を伝えることで生活サポートや、オリジナルスマートフォンアプリを通じた見守り機能などを搭載している。Wi-Fiだけではなく、SIMカードスロットを搭載している点も大きな特徴だ。
「タピア」は、アスクルが提供している個人向け通販サービス「LOHACO」のチャンネルと連携して新しいショッピング体験や、天気・防災情報を伝える機能の搭載を予定している。
ユカイ工学「BOCCO」
コミュニケーションロボット「BOCCO」には、天気や防災情報をおしゃべりできる機能が提供される。
BOCCOは、グッドデザイン賞も受賞している可愛らしいロボット。本体には必要最低限の機能が備えられており、スマホやセンサーなど各種デバイスと連携することで、真価を発揮する。例えばBOCCOの専用アプリからセンサーと連携すれば、ドアが開いたらBOCCOが教えてくれるといった機能追加を簡単に行うことができる。
BOCCOユーザーの半数以上がmyThingsを活用するなど、その反響が大きかったことからBOCCOアプリケーションへの搭載を決定した。
講談社「ATOM」
4月4日にパートワークの創刊号が発売され、2018年9月に完成するコミュニケーションロボット「ATOM」も、「myThings Developers」と連携することが発表された。
ATOMは、講談社・富士ソフト・NTTドコモ・VAIO・手塚プロダクションの5社が進めるアトムプロジェクトの一環で開発されたコミュニケーションロボット。全70号のパーツを組み立てることで、各家庭に「ATOM」が完成する。
どのような形で連携するかはまだ発表されていないが、他のロボットと同様、他のデバイスとの連携によってさらに機能が充実していくことだろう。
myThings Developersの利用プラン
「myThings Developers」には、商用利用可能な「ビジネス」と商用利用不可の「トライアル」の2つのプランが用意されている。ビジネスでも基本料金は10,000ユーザー未満はかからない(10,000ユーザーを超えると1ユーザーあたり月額50円が発生)。導入も気軽に行うことができそうだ。