脳で念じてモーターを自由に動かす、ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)研究スターターキットが登場

パソコンならキーボードを使って文字や数字を入力する・・・
スマートフォンなら画面を指先でタップしたりフリックして入力する・・・
ゲームなら専用コントローラでキャラクターを走らせたり、ジャンプさせたり・・・
私達は指や手を使ったインタフェースで、自分たちの意思をコンピュータに伝えたり、コマンドを入力したりしています。

「将来は、考えるだけでコンピュータに入力できるようになるのかなぁ」なんて思いますが、それに真剣に取り組んでいるのが、脳(前額部)の生体信号を読み取ってコンピュータを制御する「BCI」(Brain Computer Interface)や「BMI」(Brain Machine Interface)と呼ばれているインタフェース技術です。

これらの技術はロボティクス分野でも注目されていて、脳からの生体信号によって、思うとおりにロボットが制御・操縦できる将来が来ることが期待されています。

半ばSFチックに感じる技術ですが、「BCI」や「BMI」でIoTモーターを制御できるスターターキット「BCI/BMI 研究スターターキット」が発売されます。シードルインタラクションデザイン社と日立ハイテクノロジーズのコラボレーションです。

シードルインタラクションデザインは、Webブラウザやスマートフォンから制御可能なIoTモーター「Webmo」を発売中。このモーターと日立ハイテクノロジーズが開発したブレイン・マシン・インタフェース、携帯型脳活動計測装置「HOT-1000」と組み合わせることで、脳の信号からモーターを制御することができるスターターキットとして販売します。
「HOT-1000」をおでこのあたりに装着して、前額部の生体信号を用いた ニューロフィードバックにより、 Webmoの左右のモーター回転を制御できるとしています。また心拍数の値をモーターに反映させることも可能です。
同社では、脳活動の仕組みの学習や新しいインタフェースの実験試作に最適だとしています。
脳の生体信号によって機械を操る、その未来的なインターフェースでも驚きなのに「スターターキット」が発売されるとは、なんだか不思議ですね。

実験や研究に必要な器材一式。このうち「スターターキット」の内容は、シードルインタラクションデザインが発売中のWebmo1台、プログラムドキュメント、HOT-1000連携サーバー、サンプルソースコードです。日立ハイテクノロジーズが開発したブレイン・マシン・インタフェース「HOT-1000」やパソコン、モーターで動くWebmoCar等は別途用意する必要があります。

なお、日立ハイテクノロジーズのホームページによれば、「HOT-1000」で計測された脳活動変化や心拍数の信号が、HOT Measureアプリから約100ms毎に設定したIPアドレスに出力され、キットで提供されるPythonのサンプルコードではデータをほぼリアルタイムに解析、Webmoの動きへと変換する、ということです。

Brain Computer/Machine Interface (BCI/BMI)研究をこれから始めようとお考えの研究者の方へ向けたスターターキットという位置付けです。

シードルインタラクションデザインは JST ERATO事業をきっかけとした明治大学、 慶應義塾大学、 東京大学の教員/研究員/学生による大学発ベンチャー企業。 現在は、文科省COIプロジェクトの社会実装を手がけながら、 インターネット前提時代の人々の生活や社会に溶け込むプロダクト、 ロボティクス、 インタフェースデザイン、 インタラクションデザイン技術の開発をしています。

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ロボスタ編集部

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