「Amazon Echo」の機能の中でも、カレンダー機能の利用率は高いようだ。とある調査によれば、4台に1台のAmazon Echoでカレンダーが使われているという。
そんなAmazon Echoを代表するAlexaデバイス向けのスマートフォンアプリが、アップデートによりAppleの「iCloudカレンダー」に対応した。
選択肢が広がるAlexaのカレンダー
Amazon Alexaデバイスのカレンダー連携は、発売以来「Googleカレンダー(GmailとG Suite)」に対応していた。また今年のはじめに「Microsoft(OutlookとOffice365)」のカレンダーにも対応した。
そして今回ようやくApple(iCloud)にも対応したことが発表された。
この対応はAppleのMacやiPhoneのユーザーにとっては朗報だろう。また、このタイミングでの対応発表は、WWDC 2017で発表されると噂されるApple Siri搭載スマートスピーカーに対抗した形にも思える。
なお、Google HomeはGoogleカレンダーにのみ、Microsoft CortanaはOutlookカレンダーにのみ対応しており、Amazon Alexaデバイスのように複数のカレンダーへの対応はまだできていない。Amazon Alexaデバイスがユーザーへの利便性という観点でまた一歩リードした形となった。
iCloudカレンダー連携の設定方法と使い方
iCloudカレンダーの連携方法は以下の通りだ。
まずAlexa用のスマホアプリのアップデートを行う。その後に、アプリの設定タブで、Appleアカウントにログインし、iCloudカレンダーの設定を行う。
設定後はEchoなどのデバイスでiCloudカレンダーの予定を尋ねたり、予定の追加が行えるようになるのだという。具体的には「Alexa、今日の私の予定は何?」や「Alexa、今日の正午に取引先との昼食の予定を追加して」などと話しかけるだけで良い。
カレンダー利用時の注意点と、今後の進化
Alexaデバイスでのカレンダー利用については注意点がある。
“現在のところ”、Alexaデバイスは音声での人の区別を行っていないため、他の人の予定を誰でも確認できてしまうのだ。仮に家庭にEchoを置いたとすると、家族なら誰でもあなたの予定を確認できてしまうし、予定を入れてしまうこともできる。もちろん問題がない人もいるだろうが、そもそもカレンダー情報はプライベートなものも含まれるので、この状態ではスマホのカレンダーの方が利便性が高くて使いやすいという印象で終わってしまうだろう。
ここで”現在のところ”と記載したのには訳がある。Amazonは音声だけで人を識別する技術の開発を進めていると噂されているからだ。いずれこの技術が実装されれば、あなたの声で聞いた時にはあなたの予定を教えてくれるようになるはずだ。
なおライバルの「Google Home」は、すでに最大6人までの声の識別を実装しており、Amazon Alexaデバイスに対抗するセールスポイントの一つになっている。
Google Homeが先に対応したとあれば、Amazonは早急にキャッチアップしてくると予想する。
僕はこう思った:
Amazon Echoはスマートスピーカーの先駆者であり、細かい機能改善も日々行われていることがわかります。競合他社はこのカレンダー領域を追随してくるのか引き続き注目していきます。
Apple / iCloud calendar
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。