LINE株式会社は、企業のコンタクトセンターがLINEを使ったチャットによる問合わせ窓口を作ることができる「LINEカスタマーコネクト」を提供している。ユーザーと企業のコミュニケーションをより円滑にする、利便性を飛躍的に高める、機会損失や人件費の削減を図る、という3大メリットを掲げる法人向けカスタマーサポートサービスだ。
そのサービス「LINEカスタマーコネクト」を利用して、LINE上で個人向けインターネット通販サービス「LOHACO(ロハコ)」の問合わせ窓口をテスト運用しているのがアスクルだ。実務運営はコンタクトセンターアウトソーシングを中心としたBPO事業を展開する株式会社KDDIエボルバに依頼している。
LOHACOは人工知能技術を活用しで、ユーザーからのある程度の質問には機械が自動回答するAIチャットボット「マナミさん」を運用していて、チャットボットが対応できない場合に有人に切り替わってチャット対応を行う「ハイブリッド型サービス」だ。このサービスを昨年11月よりテスト運用していたが、4月11日の「LINE カスタマーコネクト」正式版販売に伴い、テスト運用中の課題を改良し、5月24日に正式版としては初の実装案件に至ったという。
なお、同サービスの開始にあたり、自動応答エンジンに「BEDORE(べドア)」を採用したことを、開発元の株式会社BEDOREが発表している。コールセンター業務の一部をAIが24時間365日肩代わりするAIシステムだ。また、有人チャット対応ツールとしてモビルス株式会社の「モビエージェント」が使われているという。
企業側はAIや有人によるチャット対応や音声通話対応などをシームレスに行い、状況やニーズに応じた適切なカスタマーコミュニケーションを実現する。
企業は、LINEが提携するサードパーティの有人チャットシステムやAIなどを任意で組み合わせて導入することができ、自社のWebサイト・LINEアカウント・電話へユーザーからの問合せに対し、LINEアカウント上で対応することが可能だ。
■ LINE カスタマーコネクト × LOHACO
https://cc.line.me/ja/
動画の中で担当者は「LINEは若者だけが使っているツールのように思われるが、50~60歳代や高齢者の方も使用するケースが出ていて、更に電話やメールが苦手な顧客やスタッフも、チャットなら気軽に会話でき、きめ細かなサポートができる」と語っている。
テスト運用時からのサービス改良点
クリックだけで情報を確認することが可能
顧客の端末確認などの選択肢を選ぶ際にテキスト入力が必要だったが、よりスムーズに回答ができるよう、正式運用ではタップでの入力が可能となった。
スクロールに対する負荷の軽減
回答文が長い場合、スクロールに対する負荷を軽減できるようにカルーセルで表示することが可能に。
同社では、有人チャット利用者の満足度が92%以上とのアンケート結果より、顧客からの固有の問合せにおいて有人チャットの解決効果が必要であり、今後もAIチャットボットの運用と有人チャット対応を組み合わせた「ハイブリッド型サービス」の提供を行い、顧客の要望に応じて、順次対応する人工知能エンジンやツールの拡充を図っていくとのことだ。