日本マイクロソフトは「Microsoft HoloLens 法人のお客様向けの情報サイト」(日本語)を公開したことを発表した。同社はこの発表のなかで「AR/VR を超える MR(複合現実)」というフレーズを使い、「MR」の優位性を強調している。
アップルはWWDCで「VR」と「AR」をデモ
先日、アップルは自社が主催する開発者イベントWWDCにおいて、コンピュータグラフィックスAPI「Metal 2」で「VR」(仮想現実)に対応し、Steam VRプラットフォームにも対応することを発表した。
「VR」のデモではスターウォーズの仮想世界に入り、タイファイター等と抗戦したり、ダースベイダー卿に襲われたり、迫力満点の世界観を演出した。
さらに「AR」(拡張現実)に取り組むことを改めて強調し、開発者向けARツール「ARKit」を開発者向けに提供していくことを発表した。デモでは何も置いてデスクの上にARでコーヒーカップや花瓶を配置した。それらは現実のテーブルの位置をマッピングにより把握し、自然に配置されるしくみだ。更にデスク上に戦場が展開。空爆を受けた村から人々が逃げまどい、デスクの端から落ちていく・・・、現実にあるデスクと、そこが途切れる空間をマッピングしての演出だった。
消費者や企業の興味をひき、ビジネスシーンで本当に利用できるのは「AR」なのか「VR」なのか、それともマイクロソフトが推し進める「MR」なのか? 選ぶのは常に消費者だ。今後の展開がとても楽しみになってきた。
ホロレンズでMRのビジネス利用を加速
そんなアップルの動向を意識したのかどうかは定かではないが、マイクロソフトはかねてから注目の的であった「Microsoft HoloLens」(マイクロソフト・ホロレンズ)をビジネスシーンでも活用促進を行っていくこと、解りやすいホームページを公開したことを発表した。
ホロレンズはWindows 10を搭載したホログラフィック コンピュータだ。最大の特徴は、コンピュータで作り上げた世界ホログラフィックと現実の世界を融合した「複合現実 (MR) 」を実現すること、そして、ゴーグル型のユニットそのものにコンピュータなど一式全てが詰め込まれていること、それでいて重さを負担に感じない仕上がりになっていること、などが挙げられる。
価格は開発者向けが¥333,800、法人・組織での商用利用が¥555,800だ(ともに税込)。
日本マイクロソフトは、2017年1月から国内での製品提供を開始している。開発者向けセミナー、アプリ開発ハッカソン、デモ体験なども実施し、ホロレンズのビジネスシーンでの活用提案も積極的だ。
そして本日、同社は法人顧客向けに「Microsoft HoloLens Japan サイト」(ホームページ)を公開したことを発表した。
同サイトでは次のような情報が提供される。
ビジネス シーンでの Microsoft HoloLens「複合現実」の活用
◆ 最新情報
セミナーやイベント、各種団体とのコミュニケーションなどの最新情報
◆ 開発者の方向けチュートリアル
ベーシックなアプリの開発の設定から、ジェスチャーや空間マッピングの開発などのチュートリアル
◆ 資料、関連情報アーカイブ
製品カタログや開発者向け情報
◆ 購入方法
「Development Edition」「Commercial Suite」の購入についてのご案内
◆ サポート
購入に関するお問い合わせ、ハードウェア サポート、テクニカル サポート
「MR」のビジネス活用事例としては、下記の「関連記事」を参照するとイメージしやすいだろう。