数ヶ月後、英国で「Amazon Echoの世帯所有率が40%になる」との予測が発表!

AmazonがイギリスでEchoを発売したのは、2016年9月。その後2017年5月にはEchoの定価を17%オフにまで値下げした。これは2017年3月にGoogle Homeがイギリスで発売されたことの影響だろう。

Amazon Echo、Google Homeといった米国発のAI音声アシスタント搭載スマートスピーカーは海外展開の第一歩としてイギリスを選んでおり、そして現在イギリスはスマートスピーカー激戦区のマーケットになっている。

そんな中、イギリス国内におけるAmazon Echoの普及に関するレポートが発表された。Radiocentreによる「Getting Vocal」というレポートだ。今回はこのレポートの中から重要なトピックスをいくつか紹介したい。



イギリスでの世帯普及率、そして将来予想

2017年5月の時点で、世帯普及率は9%という。発売からわずか8ヶ月での数値だ。(なおこの調査の母集団は1,000人程度とのこと。)


Photo: Radiocentre

現在、イギリスの成人の40%がEchoを購入予定であり、さらに87%は12ヶ月以内に購入予定と答えたという。このことから、2018年初めまでに世帯普及率が40%を超える可能性があることを示している。


Photo: Radiocentre

これを裏付けるように、現在のEcho所有者の89%がEchoを愛しているまたは好きと答えている。また、車内で使えるなら使いたいと回答した人も81%という高い水準となっている。買った人の満足度が高いことが伺える。



Echoをどんな場所に設置しているのか?

スマートスピーカーの用途についてのレポートは過去に「Amazon Echoは何に使われてるの? 米国でのスマートスピーカーの利用方法、調査結果まとめ」などお伝えしているが、どこで使っているのかのレポートも目新しい。


Photo: Radiocentre

Echoを1台のみ所有している家庭では、リビングに設置、ついでキッチン、ダイニングルーム、ベッドルームと続く。一方、複数のEchoを所有している家庭では、リビング、ベッドルーム、そしてあらゆる場所での設置に広がっているのがわかる。複数台置くのであれば、トイレやお風呂も設置場所になるのがグラフからも読み取れる。



Echoは家の中で誰が使っているのか?

家庭内に設置する前提のスマートスピーカーはプライベートなデバイスではなく家族のデバイスだというイメージだが、実際に誰が使っているのかのレポートもまとめられている。


Photo: Radiocentre

パートナー、子供、青年、兄弟、友達、両親あらゆる家庭内にいる人が使っていることがわかった。これはPCやスマートフォンとは全く違う位置付けの共有デバイスになっていることが伺える結果だろう。



Echoの利用頻度は?

続いて利用頻度の調査結果。まさに家庭の中心的なデバイスとなっていることが伺える結果になっている。


Photo: Radiocentre

毎日コンスタントに使う人は17%、数回使う人は50%、1回は使うという人が14%。これを合計すると81%の人は少なくとも1回はEchoを使っているという結果だ。



時間帯で異なる使われ方

朝6時〜9時と、夜9時〜12時の2つの時間帯で主に使う機能を聞いた結果が以下のグラフだ。


Photo: Radiocentre

朝は天気・ラジオ・ニュース、夜は質問、音楽、ラジオが上位の使われ方となっている。朝はその日に役立つ情報を収集し、夜はエンターテインメントよりの使われ方となっていることがわかる。一方、ラジオコンテンツ(フラッシュブリーフィングスキル)は時間を問わず人気だ。



利用用途上位はラジオと音楽

様々なレポートでもスマートスピーカーの基本的な用途は音楽再生などのスピーカーとしての用途だ。


Photo: Radiocentre

トップの用途は音楽ではなくラジオで、77%という人気コンテンツとなっている。「主に音楽のために使うが、音楽だけだと飽きてくることがある。そんな時に人々の話や議論を聞くのがいい。」という回答もあり、ラジオは重要な要素になっているようだ。


Photo: Radiocentre

実際にEchoの利用時間の72%がラジオを聞くのに使われているという結果となっている。RadioplayerTuneInといったスキルが人気という。



2018年初頭、約2,500万人がEchoを使うように

英国統計局の発表によれば、英国の世帯数は2014年時点でおよそ2,670万世帯。その9%が現在Echoを所有としているとするならば既に240万世帯にEchoが置かれていることになる。また2018年初頭に40%の世帯普及率ということになれば、1,068万世帯にEchoが置かれ、またイギリスの1世帯平均人数は2.37人をかけると、2,531万人がEchoを日常使える状態になるという規模になる。これはかなり衝撃的な数字だと言えるだろう。

他の国でもこんなことになるのか・・・引き続きウオッチしていきたい。

外部リンク
Radiocentre / Getting Vocal


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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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