毎年7月の恒例行事、ソフトバンクワールドが今年も7月20日(木)、21日(金)の2日間開催される。
Pepperの発表以降、急速にロボット・AI・IoTといった分野への展開を進めているソフトバンク。今年の基調講演や特別講演もこれらのプログラムが大きな比重を占めている。
さて、今回はそんな数あるソフトバンクワールドのセッションの中から、「ロボット・AI・IoT」の注目セッションを一挙ご紹介していく。
孫正義氏は何を語るか
やはり何と言っても、一番の注目は、初日の午前に行われるソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長 孫 正義氏の基調講演だ。昨年はソフトバンクワールド開催の3日前に、英・半導体設計大手「ARM」の買収を発表。初日に行われた基調講演ではARM買収の意図や描く未来を語り、大きな注目を集めた。
今年は、先日発表された「ボストン・ダイナミクス」そして「シャフト」の買収について当然触れるだろう。Googleの親会社Alphabetからの買収は、ロボット関係者のみならず、世界中のビジネスマンに衝撃が走ったはずだ。買収を発表した当日、ソフトバンクの株価が17年ぶりの高値をつけたことが、世間の反応を物語っている。
注目したいのは、やはりこのボストン・ダイナミクス、シャフトの2社の、世界でも有数の技術が積まれたロボット達の実演があるかどうかということだ。昨年ソフトバンクワールドの聴講者数が過去最高を記録したようだが、今回はそれ以上の注目度の高さとなるかもしれない。
ソフトバンクは明日21日(水)、株主総会を行う。ここでの孫正義氏の講演も見逃せない。
なお、この基調講演には、ARM社のCEOであるサイモン・シガース氏も登壇予定だ。
高橋智隆氏の講演、そして「Pepper for Biz」は新たな進化を
2日目の最後の時間帯で行われる、ロボットクリエイターの高橋智隆氏の講演も注目だ。
日本のコミュニケーションロボット市場を切り拓いてきた高橋氏が語るテーマは「一人一台 ロボット時代の創造」。同氏が開発してきたこれまでのロボットに関する紹介はもちろんのこと、今後ロボットが世の中にどのようなインパクトを与えていくのかという「未来の話」を聞くことができるだろう。ソフトバンクのロボット事業に対するコメントも、きっとどこかに入ってくるはずだ。
ソフトバンクロボティクスの吉田 健一氏の講演も注目したい。テーマは「初公開!Pepper for Bizの次なる進化」とされており、ここでPepper for Bizに関する新たな発表があるようだ。導入実績が2,000社を超えたPepper for Bizの新機能が本講演で発表されるとのことで、ロボスタとしても注目したい。
そして、ソフトバンク 法人事業戦略本部 戦略事業統括 エヴァンジェリストの立田 雅人氏からは「AI導入の理想と現実 ~やってみないと解らないこと~」というテーマで、「現時点のAIとは何なのか、何ができるのか?」を語る。同氏は、2015年3月から今年の3月までIBM Watson日本語版のビジネス部門責任者を務めてきた。
いち早く社内でのAI導入を進めてきたソフトバンクだからこそ培うことができたそのAI導入の「理想と現実」は、他社にとっては貴重な情報になることだろう。
このほかにも注目セッションが目白押しだ。ヤフーのCSOである安宅 和人氏からは「AI×データは世の中をどう変えるか?」というテーマに、脳科学とデータサイエンスの観点から迫っていく。また、日本マイクロソフトの執行役員 最高技術責任者 榊原 彰氏による同社のAI・IoT最新テクノロジーの紹介や、アスラテックの事業開発部 部長 羽田 卓生氏によるロボットビジネスという観点でのお話、メディアアーティストの落合 陽一氏による「デジタルネイチャー,計算機的多様性の世界へ」というテーマでの講演など、数々の注目のセッションが並んでいる。
ロボスタもメディアパートナーとして、複数のセッションをレポート予定だ。
SoftBank World 2017