ソフトバンクワールドにボストン・ダイナミクスのキリン型ロボット「SpotMini」が登場! 日本初お披露目

7月20日(木)、ザ・プリンス パークタワー東京にて、SoftBank World 2017が開幕した。

初日の午前中、基調講演に登壇したソフトバンクグループの代表取締役会長兼社長 孫正義氏。今年の6月にボストン・ダイナミクス、シャフトという二つのロボット会社の買収合意が発表されたことで、発言にも注目が集まっていた。



登壇した孫正義氏は、産業革命を主導した投資家「ジェントリ」になぞらえ、ソフトバンクがリスクをとった投資により情報革命を牽引していくということをまず語った。

孫正義氏


情報革命はパソコンから、インターネット、IoTに繋がり、そして人工知能へと移っていきます。人工知能の時代において大事なことはビッグデータをもつことです。産業革命時の鉄のように、データを持っている人が勝ちます。

我々はARMを傘下に入れました。ARMは世界中のIoTの90%のシェアを持っています。スマートフォンの99%、モデムの99%、車載情報機器の95%、ウェアラブルデバイスの90%にARMのチップが使われているのです。



そして、我々はOneWebという衛星ベンチャーを傘下に収めており、衛星を使ったブロードバンドを提供することで、世界中のデバイス、将来的には一兆個のデバイスが瞬時に繋がる世界を作っていきます。地球上の人々が仮に一人一台のスマートフォンを持っていても、数十億個のデバイスにしかなりません。しかし、今後は一兆個のものが繋がります。すると、我々が寝ている間にもデータが集まり、そのデータを元に学習し、賢くなっていくのです。



従来のロボットとスマートロボットは決定的な違いがあります。工場で活躍している組み立てロボットは知恵のないロボットです。人工知能のないロボット。単純作業をするロボット。ロボットのような人間というと、今はバカにした言い方として捉えられます。単純作業しかできない人間だ、と。

しかし彼らは人工知能をもつことによって、スマートロボットに置き換わります。自らが学習し、自らが行動する。

超知性をもつロボットの誕生。我々と同じように街を歩き始める、同じように走る、空をとぶ、泳ぐ。巨大なロボットや小型のロボット。我々をはるかにしのぐ超知性を持ったロボットがこれから誕生していきます。

Pepperは「操り人形じゃないか」と思われているかもしれないですが、それで結構です。Pepperが「Pepper10」「Pepper100」になった時に、そのバカにしている人たちの知性は追い抜かれていくのです。もちろんその時のPepperは同じ形ではないかもしれません。小さいかもしれませんし、鉄腕アトムのように空を飛んだりもできるかもしれません。




ボストン・ダイナミクスの「SpotMini」が日本初お披露目!


その後、同氏の基調講演にはARMのCEOなど複数名が登壇したが、一番最初に登壇をしたのが、ボストン・ダイナミクスのCEOであるMarc Raibert氏だった。同氏は、まず動画でボストン・ダイナミクスが開発してきたロボットを紹介したのち、キリンのような首をもつ4足歩行ロボット「SpotMini」をステージに誘導し、デモンストレーションを行なった。

Marc Raibert氏

人には視覚があります。地下鉄にはたくさんの人がいますが、そんな中でもぶつからずに歩いて行けるのは、視覚と脳があるからです。我々はそのようなロボットを作っています。人と同等の操作性、視覚、インテリジェンスを持った、人を超える存在です。もちろん今すぐに実現できるわけでははありません。我々が作ってきたロボットを紹介しましょう。



そう言ってSpot、BigDog、Atlasなど同社が開発してきたロボットの紹介を行なったのち、ステージ上に四足歩行ロボット「SpotMini」を誘導した。

SpotMiniは今回日本で初お披露目となった。上の動画では、オペレーターがどの方向に、どれくらいのスピードで歩くかなどを指示しているのだという。しかし、そのための歩行のバランス制御などは、もちろんSpotMini自身が行なっている。

SpotMiniには、ステレオカメラがあり、立体物を認識することができるのだという。途中、SpotMiniが脳の中で描いている地図が映し出されたが、搭載されている「LiDAR」によって、ステージ上を全て把握することができるのだと語った。

続いて完全な自律移動モードの動画だ。まず周りに不審物がないかなどを確認し、ステレオビジョンで段差を認識する。首から先の顔の部分はロボットアームになっており、これにより家庭内でも様々なものを持つことができる。

「それでは喉が乾いたので、あそこにある水を持ってきてもらいましょう。そこにある水を持ってきてもらえる?」と言って、水を持ってくるデモが行われた。すっと、首を伸ばし、缶を掴む様は、そこだけで技術力の高さを感じる。

ソフトバンクが同社の買収合意を発表したのは、今年の6月9日。ソフトバンクグループに加わるボストン・ダイナミクスは、今後どのようなロボットを作り上げていくのか。ますます楽しみになった基調講演であった。

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ロボスタ編集部

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