これって未発表の新型Pepper?不思議なロボットから見えてくるクラウドマインズのユニークで重要な取組み
ちょっと変わったPepperはいったい何者?
ソフトバンクワールドの基調講演にも写真で登場し、展示ブース内でもウロウロとしているちょっと変わったPepper。
どこかが変だなと思ったら胸のタブレットが小さい。
実はこのPepper、クラウドマインズ(CloudsMinds)社がソフトバンクに許可を得て開発した特別なPepper。
特別なのはタブレット部分に埋め込まれた部分、なぜか画面が小さい。これはクラウドマインズ社が世界初をうたうデュアルOS端末技術と関係している。
同社が開発したスマートフォン形状の端末で、ここでは「RCU」と呼称する。文字通り、ロボットをコントロールする装置で、このちょっと変わったPepperにはこれが埋め込まれている。
クラウドマインズ社の技術
クラウドマインズ社はソフトバンクが投資する企業のひとつ。ソフトバンクワールド初日の孫正義氏の基調講演にも登場、ファウンダー兼CEOのBill Huang氏が登壇し、企業と技術の紹介を行っている。
そこでは将来、通信環境が5Gの時代になると、人間の生体信号伝達なみかそれ以上の通信速度が得られるので、さらにクラウドのAI活用が進み、すべてのロボットはクラウドに繋がるようになると話していた。
実際に技術として「人工知能と人間知能」や「標準のインターネットとセキュアなクラウド」「デュアルシステムとサンドウィッチ構造」など、ふたつの技術を合わせるユニークな思想を持つ。
同社は初日に講演「クラウドロボットと世界初のデュアルロボットOS端末」を行い、そこでも、この変わったPepperをデモに使用した。
ふたつのシステムを持つ端末(スマートフォン)とは、実際に文字通り、2つのCPU、ふたつのメモリ、ふたつの基板など、まるまるふたつのシステムをひとつの端末にサンドウィッチ構造で搭載するもの。一般のインターネットとセキュアのイントラネットを活用したり、ハードウェア構造が二重だからこそ実現できるセキュア環境やアイディアが詰め込まれている。ダブルで搭載したシステムはそれぞれに、また連携して制御できるようだ。
このちょっと変わったPepperは、タブレット部分にこのサンドウィッチ構造の同社製RCU(スマートフォン)を埋め込んだソフトバンク公認の特別仕様の試作品。
実際に頭脳や制御の部分はスマートフォンが行い、音声入力と発話デバイスとしてPepperを使用しているという。
同社は他にも、視覚障害者のAIとHI(人間知能)がサポートするヘルメット等も展示した(HARI)。これは、通信でヘルプセンターと繋がっているカメラとスピーカーを搭載したヘルメット。
視覚障害者が見る景色を基本的にはAIが理解して、進行方向や障害物を音声で教えるが、ヘルプセンターのスタッフが目視して安全も確保するという、AIと人間が協働するシステムだ。
クラウドマインズジャパン