横浜で小学校の教職員向けロボットプログラミング教室が開催、140名が参加
8月21日(月)、横浜の横浜情報文化センター内 ニュースパークにて、横浜市小学校の教職員向けのプログラミング研修会が行われた。2回に渡って行われたこの授業に参加したのは横浜市の小学校の教職員、延べ約140名。富士ソフトが開発したプログラミング教材・マイクロロボット「SUBOT(読み:スボット、仮称)」を使って授業が行われた。
このロボットは、縦横高さ各5cm、重さ100gの小型ロボット。単四電池2本で動作し、タブレット等で作ったプログラムを転送することで動き出す。タブレットのプログラミングアプリは、スクラッチと同様に「できること」が書かれたブロックが並んでおり、それらを組み合わせることでロボットの動きを作ることができる。今回使用されたのは試作品で、今後製品化をしていく方向だという。
ロボットを前進、後退、旋回させるモーター制御や、ランプを光らせたり、ブザーを鳴らしたりといった制御も可能。対物センサー(近接センサー)、白黒センサー(照度センサー)を搭載しているため、障害物回避、ライントレース、ロボット相撲を行っていく中で、プログラミングの基礎的な考え方を学ぶことができる。
今回の授業は、東京学芸大学 教育実践研究支援センター・准教授の加藤直樹氏を講師に迎えて進められた。プログラミング教育に関するカリキュラムや他校での事例紹介があったのちに、ロボットを使ったプログラミングについての説明があり、その後先生たち自身が体験するロボットを使ったプログラミング教室が行われた。
小学校の先生たちは1グループ6名から7名に分かれて、プログラミングを体験していく。与えられた課題は複雑なものだったが、それでも知恵を絞って楽しみながら体験している先生たちの姿が印象的だった。
授業後、講師を担当した加藤准教授は「先生たちも今日は大変だったと思いますが、子供たちはこのようなプログラミングも数回やっていればあっという間に出来る様になります。一回だけでは上手くいきません。6年間、段階を経て学ぶことで、教科の学びを深めるカリキュラムが出来上がると思います。何よりコンピュータプログラミングを楽しむということを一番大切にしてもらいたいです」と語った。
また、参加した小学校の先生は「普段経験することがない刺激的な授業だった。将来子供達にプログラミングを教えていくようになるまでに、私自身が楽しさを噛み砕いて説明できるようになりたいと思って参加しました。今回のように目の前のものが動くというロボットを使った体験は、子供達にも、プログラミングの入門として楽しいと感じてもらえるんじゃないか」と話した。先生たちにとっては子供達の夏休み期間は学習期間であり、今回のような研修会に多数参加しているのだという。
プログラミング教材としてのロボットは数多く出ているが、今回のロボットはプログラミングを通じてロボット相撲を体験することができるのが特徴だ。土俵のラインを見つけたらバックする、相手を見つけたらその方向に進むなどのプログラムをビジュアルプログラミングで組んでいくことができる。
ロボット相撲とは富士ソフトが主催するロボットの競技大会で、毎年全国大会が両国国技館で行われているものだ。
他のロボットでもロボットプログラミングを学んでいくことができるが、このSUBOTはロボットの動き方を学んだ先に、どうやったらもっと強いロボットが出来上がるのか、相手に勝てるのかといった「子供達の学習意欲を高める要素」があるように感じた。
全日本ロボット相撲大会トップ – 富士ソフト
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。