在庫の保管場所や数量の管理は、ロボットが自動で移動してチェックする時代が来ている。
RFルーカス株式会社は、RAIN RFID(UHF帯RFID)装置を搭載したロボット自動走行により、ICタグが貼付された全物品の位置を高速・高精度に特定する「P3 Mapper (Phase based 3D RAIN RFID locus Mapper) 」を開発したことを発表した。
P3 Mapperはロボット上のRFID装置制御ソフトウェアと解析プログラム(同社特許技術)で構成され、オンプレミスやクラウド上の物品位置管理システムとして提供される。
RFIDタグや関連機器、システムを販売している大日本印刷株式会社並びに倉庫運用ノウハウを有する株式会社PALと、10月までP3 MapperのPoC (Proof of Concept) 運用を実施、11月から順次両社の製品・サービスと組み合わせて提供を開始する予定だ。
「RAIN RFID」が位置を高精度で検知
同社はID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするRFID(Radio Frequency IDentifier)及び関連する事業を展開。10年以上のUHF帯RFID制御ソフト、システム開発経験を有し、国内外でタグ位置特定技術関連特許取得(および出願)をしている。
RAIN RFIDは、電池無しタグで長距離(10m以上)、一括読取(秒間100以上)が可能。人手不足を背景とした業務効率化などのために普及が進んでおり、2016年に全世界で90億個以上のタグが出荷されたと言う。
■ RAIN RFID タグ位置ナビ (Japanese version)
P3 Mapperは現在の一般的運用ではアンテナから離れた場所のタグが読めない、位置特定精度が数m程度など、RAIN RFIDでの課題を解決すべく、開発されたシステムで、自動走行ロボットに複数枚アンテナを設置。「タグに近づいて」「一定の動作で」読むこと及び同社特許技術の電波位相情報解析により、実験環境では100%の読取及び棚レベル位置特定を達成し、更に、棚の中での物品左右位置を10cm以下の精度で特定した。
これにより夜間の自動での全物品位置管理も可能となり、棚卸作業や物品探索の省力化、業務効率化、人手不足解消といった効果が見込まれる。
イノベーション・ジャパン2017で展示
この開発の成果は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたもので、8月31, 9月1日に東京ビックサイトで開催される「イノベーション・ジャパン2017」のNEDOゾーンで展示される。
同社は今後、多機種の自動走行ロボットやドローンへの対応を進めていくとともに、株式会社PALと倉庫向けを、大日本印刷株式会社とは様々な業界向けにRFID位置特定に関するサービスを共同開発して行くと述べている。
RFルーカス株式会社