羽田空港、ロボット実証実験の第2弾の公募を明日27日より開始。「警備」「物流」「翻訳」の3分野で

羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデング株式会社は、2016年から「Haneda Robotics Lab(ハネダ ロボティクス ラボ)」を設置し、ロボットの技術検証を目的に、羽田空港でロボット製品(プロトタイプ含む)の実証実験プロジェクトを実施しており、この度、昨年実施した第1期につづき第2期となる「羽田空港ロボット実験プロジェクト2017」の実施を発表した。また、これに伴い明日9月27日(水)より参加事業者の公募を開始する。

同プロジェクトは経済産業省の「ロボット導入実証事業」を活用し、政府が進める「改革2020」プロジェクトの実現に向けた取り組みの一つとして、国土交通省および経済産業省と連携して実施しているもの。第2期となる今年の募集カテゴリは「警備ロボット」「物流関連ロボット」「翻訳関連ロボット」の3つだ。それぞれの詳細は以下の通り。

募集カテゴリ

【警備ロボット】
不審物の察知と警告、施設の異常発見と対応、救護必要者への対応、迷子への対応、緊急事態発生時の旅客誘導、火災の消火、巡回警備等を行う事、もしくはこれら業務の助けとなるロボットを想定。

【物流関連ロボット】
旅客手荷物のポーター業務、倉庫内業務、商品確認業務、館内物流業務、建築資材運搬業務、もしくはこれらの業務の助けとなるロボットを想定。

【翻訳関連ロボット】
翻訳、多言語での案内業務、物品販売業務、サイネージ、資料作成などを行う事の出来るロボットや、従業員の翻訳を補助する機器、PCや携帯端末上等で作動するソフトウェアなどを想定。

羽田空港では2020年に向け、旅客ターミナルのさらなるサービス品質向上、利用者の満足度向上に努めているが、労働生産人口の減少、「働き方改革」に伴う生産性向上への対応が求められる社会環境下においては、羽田空港の各種業務課題を解決するために、ロボット技術の活用が不可欠と考えているという。これに伴い同社では、ロボット技術活用の検証と優れたロボットの導入を推進することを目的に、国土交通省及び経済産業省とも連携し公募型の実証実験プロジェクトを実施していく。

また、空港ターミナルという環境下での検証データをもとに、公共施設における実効性の高いロボット開発に取り組んで頂くための環境整備も目指す。本年の実証実験では、ロボットと人、ロボット同士が連携したサービスの提供を目指し、ロボット専用の通信環境およびロボットと空港管理システムの相互通信プラットフォームの整備に着手するという。

本プロジェクトを通じ、空港全体で様々なロボットが活躍している状況を創出することで、一般の方にロボットを身近に感じてもらう効果、社会実装の促進により課題の解決がより進むことで波及効果の増大、賑わいの創出や今回の活用事例が世界へと発信される事等を見込んでいる。

公募概要

募集期間
2017年9月27日(水) ~ 10月25日(水)

実験期間
2017年11月下旬 ~ 2018年1月末(予定)

実験場所
羽田空港旅客ターミナルビル内 ※採択ロボットにより個別に調整予定

特設サイト
https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/hanedaroboticslab/

併せて今回の発表では、公募に際して開催される事業者・開発者向け説明会の日程が提示されている。日程は10月10日(火)13:30-15:00。羽田空港国内線第1旅客ターミナル 6階 ギャラクシーホールで行われる。参加希望者は、公募窓口宛にメールにて申し込む必要がある。申し込み方法は以下の通り。

・申し込み方法:お名前/ふりがな/会社名/部署名/メールアドレス/電話番号を記入の上、10月6日(金)までに、公募窓口(haneda_robolab@jat-co.com)宛てにメールにてお申し込みください。
※応募多数の場合は先着となることがあります。

第1期では「案内」、「移動支援」、「清掃」の3つのカテゴリで行われ、計23社23種の応募から審査を経て選ばれた17社17種のロボットが実験に参加し、羽田空港第2旅客ターミナルにて2.5ヶ月間、約500時間にわたり実験を行った。

この間、約5,000人の空港利用者が実験中のロボットと触れ合い、「ロボットの時代が来た」、「かわいい!」、「私の会社にも欲しい」といった感想を抱いたという。

ロボットを多くの方々に利用してもらい、改善に繋げるという意味では、非常に有用な機会になることだろう。


(トップ画像は第1期の発表会時の様子です)

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ロボスタ編集部

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