日本電信電話株式会社(NTT)は、NTTグループ各社が保有するAI技術「corevo(コレボ)」と、トヨタ自動車株式会社が開発を進めている生活支援ロボット、HSR(Human Support Robot)を活用して、日常生活の様々なシーンにおける行動支援を実現する共同研究を開始したことを発表した。
NTTとトヨタは、人の役に立ち、人と共生するパートナーロボット普及に向けて共同研究をすすめている。
今回の共同研究では、NTTが開発した「R-env:連舞」を含むAI技術「corevo」をトヨタが開発したコミュニケーションロボットやHSR等を中心に組み込み、両社が保有する技術やノウハウを組み合わせながら、多様なロボットやその他デバイスを連携させることで、人の行動を先回りしてサポートすることができる技術の開発を推進する。
また、人の役に立ち、人と共生するパートナーロボットの実用化促進と普及を目指し、イベント会場や商業施設向けサービスプロトタイプを作成し、来場者や来店者に体験してもらうことで、今後の実用化に向けた受容性・有効性の検証と技術課題の抽出を行う予定だ。
各社の技術について
NTT-corevo
世界最高レベルの精度を誇る音声認識技術に代表されるメディア処理技術や、「R-env:連舞」を中心としたインタラクション技術等、ロボットを含む擬人化されたエージェントが人の言葉や表情を理解し、身振り手振りも交えて人との高度な対話を実現するAI技術「corevo」の研究開発を進めている。
http://www.ntt.co.jp/corevo/index.html
■ 【NTT研究開発】Corevo - Life with 4 AI -
トヨタ-HSR
将来、家庭の中で、人と共に暮らし、より豊かな生活を支援することを目的に、「小型軽量」、「安全・安心」、「簡単操作」を実現した生活支援ロボットHSRの開発を進めている。また、同ロボットの機能向上に向け、2015年からは、複数の大学・研究機関と連携した「HSR開発コミュニティ」を立ち上げ、技術開発を加速している。
■ トヨタのパートナーロボット HSRの技術紹介 -トヨタ公式企業サイト-
今後の展開
まずは、2017年10月3~6日に幕張メッセで開催予定の「CEATEC JAPAN 2017」NTTブースにおいて、サービスプロトタイプを出展。その後、ロボット関連イベントやショールームなどで実証実験を実施することで、HSRを中心としたロボット連携サービスの可能性を探るとのこと。
ロボスタでは展示ブースの様子をレポートするのでお楽しみに!
また今後はAI技術「corevo」の利用環境を外部に公開しながら、その他のメーカーや大学等研究機関とのコラボレーションを拡大していくとしている。
両社は、これらの展開により、人とロボットの共生に必要となる機能の洗い出しと技術開発を推進し、「かしこさ」だけでなく「やさしさ」を備えたパートナーロボットが、日々人に寄り添い、人に働きかけ、人の行動や成長を促す世界の実現を目指すと述べている。