10月3日から6日までの4日間、千葉・幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2017」のNECブースには2台の「TAPIA」(タピア)がいる。
ここで行われている展示は「声認証」だ。
誰の声かを認証する技術で、本人の声かどうかを特定したり、本人以外に使わせてはまずい機能などに制限をかけることなどが可能だ。
声認証がロボットやスマートスピーカーで重要な理由
最近では、AIスピーカーをオウムが操作したり、TVから流れるアニメの音声にAIスピーカーが反応したりと言ったトラブル例が知られているが(参考記事「人間以外が「Amazon Alexa」を操作する事案が発生中!スマートスピーカーやロボットにはやっぱり声認証が必須か」)、スマートスピーカーやロボットなど音声で操作する機器には今後、声認証に使って、操作できる人を特定し、認証する機能が必要不可欠になっていくと見られている。
NECは声だけでなく、指紋、顔、耳(内部)、虹彩(目)、など幅広く生体認証を手がけ、世界的にも高い評価を受けている。
こういった背景から、NECではCEATECの展示ブースにおいて、TAPIAを使った声認証技術が体験できるデモを用意した。
音声認証デモの流れ
デモはシンプルだ。
まず、来場者が1台目のTAPIAに任意の単語を言って声を登録する。いわゆる音声パスワードの登録だ。登録した内容は通信を通じてコンピュータに記録される。
その後、2台目のTAPIAに対して、登録したのと同じパスワードを言うと、登録されている音声と照合して、本人かどうかを認証、本人であれば登録されている名前を言って挨拶、「NECブースをごゆっくり楽しんでください」と発話するしくみだ。
デモでは登録時と認証時で同じ単語を言うことになっている。ただし、実践では登録した単語に限らず、どんな言葉を言っても認証するように設定することも可能だ。
すなわち、パスワードの単語自体は重要ではなく、パスワードを知っている「音声」が本人のものかどうかを特定する鍵になっていることがポイントだ。
今後、声認証が普及していくシーン
声認証はコールセンター(電話)で個人を特定をするシーンでも実用化が進められている。例えば、コールセンターでは本人しか知らないはずの情報やパスワードを言うことで本人認証を行っていることが多いが、そこに声認証を加えて二重のチェックをかけることで、セキュリティレベルを格段に強化することができる。
銀行の振り込みやクレジットカードなどの決済など、高度なセキュリティが必要なケースであっても、複数の生体認証を組み合わせることで、なりすましを防止することができると考えられている。
CEATECの会場に足を運んだら、NECブースの声認証を体験してみることをおすすめしたい。