Pepperハッカソン「ペッパソン2017東の陣」を制した「Pepper先生(ペッチャー)」とは? 夢はPepper司会のこどもクイズ全国大会!

Pepper App Challenge 2017 Autumn」(以下PAC)と「Mashup Awards 2017」に繋がるプレ・イベントとして、東京で開催されたPepperハッカソン「ペッパソン2017東の陣」。
ファイナルに17チームが進む大激戦の中、最優秀賞はチーム「ペッチャー」の作品「Pepper先生(ペッチャー)」が受賞した。

「Pepper先生(ペッチャー)」はどんな作品?

Pepperが進行役となり、Pepperが出した問題に子ども達が早押しポタンを押して回答するクイズ大会の開催をメインにした作品。子ども達はクイズ大会に出場するために勉強したり、クイズ大会を通して楽しみながら学習、Pepperは子ども達の性格や実績、成長に合わせて褒めたり、感心したりしながら学力を伸ばすことにつとめていく、奥が深いシステムとなっている。

「Pepper先生(ペッチャー)」のデモ。クイズ大会でPepperが出した問題に対して、子ども達が早押しポタンを押して回答する


チーム「ペッチャー」の構成メンバー

「ペッチャー」のチーム構成は3名。リーダーは、エクスウェア株式会社の取締役をつとめる代田氏。エクスウェアと言えば、数あるロボアプリの中でも最も人気のあるひとつ「ペップレ」を開発している企業。そのペップレの開発に普段関わっているイ氏がチームに参加し、もう1名のキム氏はエクスウェア以外からの参加となる。

チーム「ペッチャー」の3名。向かって左からリーダーの代田氏とイ氏(エクスウェア社)、枠内はキム氏

今回の作品を開発したきっかけ、作品の特徴とポイント、そして今後の展開等について、リーダーの代田氏に話を聞いた。



夢はPepperが進行するクイズの全国大会

編集部

最優秀賞の受賞、おめでとうございます。まずはこの作品を開発したきっかけや狙いを教えてください。

代田氏

私の子どもが現在小学2年生なのですが、同じ年代の子どもを持った親と話す機会があると、いつも「プログラミング教育」や「英語の必須化」「中学受験」などの悩みに及びます。実は子どもが4歳くらいの頃から、同学年の子ども数人を家に集め、外国人講師に来てもらって、英語の勉強などを教えてもらう会を定期的に開催していました。その際は、楽しく出来るように、まずは友達同士で遊んだり、おやつをみんなで持ち寄ったりして、そのついでに英語をやるような、気軽な雰囲気で勉強に触れていました。
その時の経験を思い出し、Pepperとボタンの早押し装置などを使って、テレビのクイズ大会のような形式で勉強していけたら、子ども達は飽きずにもっと学習を継続していけるのではないかと感じました。その思いがこの作品のベースとなっています。

小学校低学年の子どもを持つ親の悩みを解決したい、そんな思いからこの作品は生まれた

編集部

なるほど、今回の作品の特長やポイントを改めて教えてください。

代田氏

このシステムではPepperが子ども達の顔を覚えるところからはじまります。グローリー社の顔認証APIを使用しています。次に、勉強前の準備運動です。Pepperの真似をして体を動かしてほぐします。その次は、クイズ大会に向けての勉強です。これには弊社エクスウェアが提供する「ペップレ」サービスを使って、大型モニタと連携して、1問1答形式の問題を勉強します。


そしていよいよメイン機能となる「クイズ大会」です。参加者は、Pepperに顔を見せて、エントリーします(顔認証)。AWSサーバに登録されているクイズ問題がPepperにダウンロードされ、同時にAWSサーバに登録されている各子どものデータ、得意科目や科目別のクイズレベルなどがダウンロードされます。

編集部

クイズ大会ということは複数の子どもで競うのですね?

代田氏

はい。「早押し解答クイズマシン(早押し判定機)」を使い、クイズ大会の要素を取り入れました。まずはPepperがボタンを押してスタートです。Pepperでは押しにくかったので、ボタンを少し拡張して押しやすくしました。Pepperがクイズ問題を読み始めると、答えがわかった子どもが早押しボタンを押します。誰かがボタンを押すとランプが消えるので、「MESH」の光センサーでボタンが押されたことを検知、MESHからBluetooth通信でAndroidスマートフォンに通知が送られ、更にその情報がPepperに通知されるしくみです。

左の多数のボタンが「早押し解答クイズマシン(早押し判定機)」。子どもがボタンを押すと、光の変化を「MESH」が検知し、Androidを経由してPepperに通知するしくみを採用

編集部

盛り上がりそうな仕掛けですね。ほかに特に工夫した点があれば教えてください。

代田氏

子どもがボタンが押したことがわかると、Pepperは問題の読み上げを途中であってもやめて、子どもに回答を促します。また、Pepperがそれぞれの子ども達のプロフィールや過去の解答ログ、得意科目、早押し時間などのデータを参照し、それに合わせて適切な言葉で褒めて盛り上げる機能も加えています。「さすが、算数のスペシャリスト、〇〇君 見事正解です」とか「早押しの女王、〇〇ちゃん、問題を読み切りましたね」など、人間の進行役のように・・ですね。

編集部

この作品について、これからの構想や拡張していきたい点等があれば教えてください。

代田氏

まずは自宅に近所の子ども達を集めて、実際にPepperでクイズ大会をやってみたいです。その後は塾やプログラミング教室でもクイズ大会を実施し、勝ち抜けば市区町村のクイズ大会、都道府県大会、全国大会へと拡がるものにできたら素晴らしいですね。
Pepperの一番の強みは、ヒト型で可愛いらしさがあるということだけでなく、圧倒的な知名度とタレント性だと思っています。クイズの進行役としても最適ですね。

編集部

今後のPepper関連のハッカソン、コンテスト参加予定、開発予定などを聞かせてください。

代田氏

次は「Pepper App Challenge 2017 Autumn」に、ブラッシュアップして参加を予定しています。
ロボットやAIを使ったプログラミングは大人の私達でもワクワクします。ハッカソンに参加すると、プログラミングが心底から好きな人たち(休日をつぶしてでもこのようなイベントに来る人達)に触れあうことができて刺激になります。
子ども達の間ではプログラミングを行う職業の人気があがってきているという話も聞きます。大人も子どももPepperを使ったプログラム開発はとても楽しいと感じていますので、ビジネスではもちろんのこと、ハッカソンやコンテストでも、子ども達がロボットに触れあい、ロボットが社会に浸透していくための活動を続けていこうと思っています。



Pepperを活用したロボアプリのコンテスト「Pepper App Challenge 2017 Autumn」の開催は 2017年11月22日(水)。作品応募受付の締切は 2017年10月25日(水)。
参加は現在受付中。挑戦への道は開かれている。

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