Strategy Analyticsがスマートスピーカーに関する調査・予測レポート「Global Smart Speaker Vendor & Voice OS Market Share by Region: Q2 2017」、「Global Smart Speaker Forecast 2014-2022」を発表した。
今回はこのレポートのサマリーの中から、出荷台数予測・市場シェアについて紹介したい。
またロボスタ編集部では過去に以下のようなレポートを紹介してきた。あわせて参考にしていただければと思う。
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出荷台数予測
まず、スマートスピーカーの全世界での出荷台数予測。
2017年第4四半期で約1,200万台(対前年同期比3倍)、2017年通年では2,400万台(対前年比4倍)となると予測している。
2017年第4四半期の3ヶ月の伸びが著しく、スマートスピーカーの販売が大きく広がったターニングポイントとなっている。なにしろこの第4四半期だけで2017年の半分を占めている状況なのだ
さらに今後の予測として、今後5年間ですべてのワイヤレススピーカーがAI音声アシスタント搭載のスマートスピーカーになるという。
市場シェア
続いてAmazon、Googleその他のデバイスのシェアの変動予測。
2017年のスマートスピーカー新規出荷台数のうち、AmazonのAlexa搭載デバイスは68%、Google Assistant搭載デバイスは20%のシェアと予測している。
累積では、AmazonのEchoが71%、Googleホームが15%、その他で14%のシェアとなる。
Googleのシェアが2016年から2017年にかけて2倍、その他デバイスも7倍に増加するが、それでもAmazonがまだ圧倒的なシェアを維持する予測となっている。
なお2017年においてはAmazonやGoogleなどの音声アシスタント開発会社による自社デバイスが圧倒的多数になっているが、今後サードパーティーによるデバイスのシェアが30%まで増えるという。
デバイス別出荷台数予測
前述の出荷台数と市場シェアからそれぞれのデバイスの台数予測を計算した。
Amazonはこの1年で3倍以上、Googleは8倍以上出荷台数を増やしたことになる。まだ主に米国、英国中心の販売でこの増加だ。今後日本始め英語圏以外へのグローバル展開が本格化していく中で、まだまだ増加傾向は続いていくのは間違いないだろう。
僕はこう思った:
今年後半、来年前半に向けて各社また新しいデバイスが投下される予定なので、さらに出荷台数・シェアは変動していきそうです。
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。