次世代ネットワークとして期待されている広域通信網「LPWA」を、小学生児童の登下校の見守りに活用する実証実験が2017年10月16日よりスタートした。名称は「藤枝市小1児童登下校お知らせサービス実証実験」。
実施するのは静岡県藤枝市で、技術面でソフトバンクが協力している。
IoTとLPWAが児童を見守るしくみ
しくみとしてはこうだ。
保護者が小学一年生の児童たちのランドセルなどに「GPSトラッカー」を取り付ける。児童は自宅を出てから学校に向かうまでの間、GPSトラッカーが約5分間隔でGPS衛星と通信し児童の位置を測定、LPWA無線を使ってクラウドに送信する(同じ位置にいる場合は計測と送信は行わない)。LPWAはソフトバンクが藤枝市内の広域に敷設したネットワーク(ゲートウエイ)を通じて行われる。
小学校の昇降口付近には、Bluetooth Low Energy(BLE)を使った通信機(ゲートウエイ)が設置されていて、児童のGPSトラッカーと通信し、登校したことがクラウドに送信されるとともに、保護者宛に登校したことがメールで通知される。
保護者はメールを受信したことで無事に登校したことがわかる。もし、時間通りに登校していない場合、保護者は自身のスマートフォンのブラウザを使ってクラウドにアクセスすることで、GPSと通信した直近の位置(児童がいると思われる場所)を確認することができる。
2018年1月から市立小学校全17校に拡大
藤枝市によれば、まず藤枝市立青島小学校の1年生を対象に先行開始し、2018年1月から市立小学校全17校に拡大する予定だ。
ソフトバンクは2016年6月に藤枝市と包括連携協定を締結し、市内全域にLPWAネットワーク網を敷設、広域ネットワークを活用した実証実験を推進している。同社は今後も藤枝市とのIoT分野における連携を強化し、LPWAネットワークを活用したさまざまなサービス開発・実証に取り組んでいく、としている。