アメリカのロボコン「FIRST」にチャレンジする、日本の高校生チーム「Team 5701 Indigo Ninjas」

FIRSTという団体をご存知でしょうか。

「For Inspiration and Recognition of Science and Technology」の頭文字をとってFIRSTを呼ばれるこちらは学生向けの4つのロボコンを主催する団体で、創設者はセグウェイを発明したことで有名なディーン・ケーメンです。


ミッションは「技術力を伸ばすプログラムを通じて、学生の自信、コミュニケーション能力そしてリーダーシップを向上し、若者の科学技術への関心と参加を高める」ということ。

FIRSTは以下4つのロボコンを主催している。

FIRST LEGO LEAGUE JR.(通称、Jr.FLL)
10歳未満のコース

FIRST LEGO LEAGUE(通称、FLL)
10~14歳のコース

FIRST TECH CHALLENGE(通称、FTC)
13~18歳のコース

FIRST ROBOTICS COMPETITION(通称、FRC)
15~18歳のコース


チャンピオンシップは、地区大会で優勝・アワードの受賞で勝ち上がった約400チームが出場します。


チャンピオンシップの様子

15~18歳コースのFRCには以下の特徴があります。

・毎年ルールとゲーム内容が変わる
・54kgのロボットを6週間で製作
・3チームのグループ同士で戦う

大会やルールは全て英語です。ルール発表後、できるだけ速くルールを理解することでその分ロボットの制作期間をとることが出来ます。そのため、ロボットを作る能力とともに、英語の力も重要です。

FRCは関わる全ての人が技術を取得し、活用できる場。それは学生が高度な科学技術に触れる機会でもあります。

このFRCに日本から参加している高校生チームがあるのをご存知でしょうか。その名も「Team 5701 Indigo Ninjas」です。



3年前に高校生が設立した日本初のFRCチームで、様々な中学・高校から生徒が参加しています。2015年からは3年連続でハワイ大会に出場しています。

こちらのチームはFRCへの参加と並行して、日本でFRCを広め日本チームを増やすことと日本での予選大会開催も長期目標としています(ちなみに、日本でのFRC参加チームは「Team 5701 Indigo Ninjas」の他に、「SAKURA Tempesta」、「Tokyo Techinical 侍」の3チームがある)。

FRCへの出場で参加した学生が技術を習得し、メンバーは年齢制限が来たらチームを卒業するのですが、卒業後もメンターとしてチームに参加し現役の学生に技術を教えることで、技術力のバトンを受け継いでいき技術力の向上がされていきます。



ロボットを作り戦うことによる技術力、大会やルールは全て英語なので英語力が必要なFRCですが、「経営力」も必要とされています。ロボットを作るための資金やハワイ大会に参加するための旅費は全て自分たちでスポンサーを見つけてきたり、クラウドファンディングで集める必要があります。

先日から今年の大会に向けて「Team 5701 Indigo Ninjas」が始動しました。高校生たちの取組にご興味ある方はスポンサーやクラウドファンディングでの援助をされてみてはいかがでしょうか。

続報があればロボスタでもまたご紹介したいと思います。

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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