ソフトバンクの販促力を「使いたい会社」を募集、「AI」や「VR」などを対象にイノベーションプログラム実施へ
ソフトバンク株式会社は、革新的なソリューションや技術を世界から幅広く募集して、商品化を検討・実現する「第3回 SoftBank Innovation Program」を、2017年11月14日から開始することを発表した。
同プログラムは過去に2回実施され、これらで選出された企業とともにソフトバンクは水面下で事業化を進めている。第1回は計8社が、第2回は計3社が選出されている。
ソフトバンクは選出された企業に対して、プロトタイプ開発の費用やテストマーケティングの実施環境、事業提携の機会や出資も検討していく。
知名度とマーケティング力、そして日本だけでなく海外の販売網も活用したいという企業にとっては魅力的なプログラムとなるだろう。ただし、出資がメインの目的ではなく、あくまで協業する分野を探るためのプログラムであり、事業シナジーを持たせられるようなサービスを持っているところが対象となる。
今回募集するテーマは、「AI as a Service」「Disrupt」「EdTech」「Home」「AR/VR」の5つ。
「EdTech」「Home」「AR/VR」などのテーマも並んでいる中で、
特に興味深いのは、「AI as a Service」と「Disrupt」の2つ。
「AI as a Service」とは、文字通りサービスとしてのAIのことで、要素技術ではなく、サービスとして成り立っているものを対象としている。一方の「Disrupt(ディスラプト)」とは、既存の概念を覆す革新的なソリューションのこと。ブロックチェーンやシェアリングエコノミーなどのキーワードが並んでいるが、このように既存の業界を創造的破壊するような、新しいサービスが一つのテーマとなっている。例えば、ロボットを活用したサービスでソフトバンクとの協業を考える場合には、この2つのテーマがメインになる。
ただし、家庭内でのサービスを募集する「Home」という分野もあり、どの区分で応募すべきかと苦慮することもあるかもしれない。ソフトバンクによれば、応募企業とは面談等を通じてまずは情報交換の機会を持っていくため、応募する区分はそれほど重要ではないという。
本日から2018年1月16日までの約2ヶ月の募集期間、その後の選考期間を経て、プロトタイプ開発やテストマーケティングが開始される。
ソフトバンクは今や通信の会社ではなく、世界中で注目されているテックコングロマリット企業だ。Pepperのようにロボットを開発しているだけでなく、自動運転やIoTなどの分野でも事業を拡大している。ソフトバンクの販売網と相性が良いサービスを持っている場合には、「ソフトバンクを使ってやる」くらいの意気込みで応募してみるのも良いかもしれない。