AIが株価トレンドを予報!証券会社がAI導入を加速、株式投資に役立つ新情報サービスや顧客の不満発見にビッグデータ活用

SMBC日興証券株式会社は、個人顧客を対象に、「逆日歩予報」と「AI株価トレンド予報」の2つの情報サービスの提供を開始する。

現在、両サービスともに同社に口座がない場合でも利用可能な「お試し版」にてサービスを開始している。どちらのサービスも来年度以降は正式版として、同社と取引のある人を対象に、より利便性を高めた形での情報提供を予定しているとのこと。なお、お試し版、正式版ともに無料となっている。




サービス内容について

「逆日歩予報」は、信用取引の銘柄選びや売り・買いの判断をビッグデータを活用して分析、予測配信するもので、個人向けのサービスとしては初の試みとなる。また、「AI株価トレンド予報」では、AIが、株価に影響のありそうなニュースを選定。複数のアナリストの予想投票をもとに、予想配信を行う。


逆日歩予報

逆日歩とは、信用取引の売り方(売り手)が負担するコストのこと。その発生状況はメディアで確認できるものの、当日には、発生するかどうか、どの程度の金額が発生するかは分からず、取引翌日以降に高額の逆日歩が発生していたことが判明するケースが往々にしてある。


同サービスは、逆日歩の発生確率と金額の予測情報を取引日当日に登録したEメールアドレス宛に送るというもの。信用取引を行う利用者は、この予測情報を売買タイミングの判断材料として活用できる。

同サービスは、野村総合研究所が算出する逆日歩予報データを基に、同社がサービス化したもので、逆日歩の発生確率を事前に分析し、個人利用者向けに提供するのは証券業界初の試みとなる。

【逆日歩予報イメージ】(※クリックで拡大)



AI株価トレンド予報

同サービスは、財産ネット株式会社が提供している「兜予報」サービスに、同社が、銘柄登録機能・通知機能を付加したもので、スピーディーな投資判断が求められる信用取引や現物の短期取引を行う人に向けたサービスだ。

具体的には、財産ネット社がカバレッジする200銘柄を対象に、AIが、ニュースやプレスリリースといった膨大な情報の中から、短期間で株価にインパクトがあると想定される情報を選別。その情報を、複数のアナリストが今後の株価トレンドを予想し、予想結果を登録されたメールアドレスに通知するというもの。


カバレッジ銘柄は財産ネット社において随時更新されるため、興味のある銘柄が非カバレッジ銘柄であっても、登録をしておけば、その銘柄がカバレッジ対象銘柄になった際、予想結果が配信される。

【AI株価トレンド予報 イメージ】(※クリックで拡大)




「KIBIT」で顧客の苦情や不満を人工知能がいち早く発見

SMBC日興証券では、株式会社FRONTEOが開発した人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を使って、「お客さまの声」を解析し、苦情や不満などにつながる恐れを抽出、いち早く発見・対応することで、顧客満足度の向上に繋げる仕組みも導入した。
2017年はじめよりKIBITの検証が行われ、2017年5月より本格的な検証を開始、営業店やコールセンターにおける顧客との折衝履歴の中で、営業員やオペレータが気づいていない苦情や不満が抽出可能なことを確認したと言う。
今後は、日々生み出される大量の顧客との折衝履歴を解析し、苦情や不満の兆候を網羅的に確認できるようになる。

今後は、KIBITの積極的な活用を全社的に拡大していくと言う。例えば、顧客との通話音声記録をテキストに変えてKIBITで解析、将来的に苦情へと発展する可能性がある会話の検出や、お客さまや取引相手先に送信したメールで情報管理上の問題がないかのチェックにも活用する予定だ。またオンライントレードを利用されている顧客からのお問い合わせ履歴を教師データとした実証実験で、システムの改善要望を検出することにも成功していると言う。

人工知能関連技術の浸透が加速しそうだ。

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ロボスタ編集部

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