アフラック、小児がんの子供にアヒルロボットを無償提供へ 治療時の精神的負担軽減を目指す
保険会社のアフラックは、CES2018に同社のマスコットキャラクターであるアフラックダックのロボットを展示した。これは小児がんの子供達のために作られたロボットで、がん治療の期間中に子供を癒し励ます存在として活用されるものだ。
このロボットはAflacが、ヘルスケア製品を作るSproutelと共に開発をしたロボット。小児がんの治療には平均して1,000日間かかるというが、その期間中の子供達の精神的な負担を少しでも和らげてあげたいという目的で開発された。開発には、専門家だけでなく、小児がんにかかった子供達やその家族からの意見も反映。1年半の年月をかけて作られた。
アフラックダックは音声で子供達を楽しませるだけでなく、ぬいぐるみのような外観・手触りのため、子供達が実際に抱っこすることでフィジカルな存在を感じることができる。ドクンドクンと同じように脈拍を刻むロボットを抱いて寝ることで安心して眠りにつく子供達もいることだろう。
また、子供達は、薬を投与するためのシミュレーションをこのアフラックダックを通じて見ることができる。これにより、子供達の化学療法への恐怖心を和らげたいという意図があるという。
アフラックは米国で毎年新たにがんと診断される1万6千人の子供達に、このロボットを無償で配布していくという目標を掲げている。
今回の取り組みでアフラックの企業イメージが良くなることで、アフラックにはビジネス面での良い影響があるのかもしれない。しかし、今回のロボットに関わった人たちは、あくまで「がんを患った子供達のために何かしてあげたい」という一心だったはずだ。
ロボットを作るとなるとついビジネスモデルや「どれくらい売れるのか」に目がいってしまいがちだ。もちろんそれは企業として正しい姿勢である。しかし、ロボットというものはもっと自由に発想すべきだと今回の取り組みをみて感じた。
こんな心温まる事例が、世界中で出て来て欲しいと心から願う。