ロボット業界関係者のための商談展「第2回 ロボデックス」が開幕した。
産業用ロボットのコントローラを開発・販売するMUJINは世界初となる汎用知能ロボットコントローラやティーチレスバラ積みピッキングなどを展示して、来場者の注目を集めていた。
産業用のアーム型ロボットはロボットアームとコントローラで構成されている。ロボットアームのメーカーは安川電機やファナック、三菱電機などが知られている。MUJINはロボットの制御を行うコントローラ部分を開発している。
同社のブースではミニステージでデモンストレーションと解説が行われていた。
産業用ロボットで最も難しい課題のひとつ「バラ積みピッキング」を例に挙げて、MUJINのコントローラを使用していない通常のロボットアームでは導入してから「バラ積みピッキング」を学習するまで、動作のプログラミングやティーチングの期間が約365日もかかるが、MUJINのコントローラを搭載したロボットの場合はわずか14日間で実働することができる、と紹介した。
その驚異的な能力の秘密は「AI」にある。MUJINのコントローラにはAIが採用されている。AIといってもディープラーニングではなく、「モーションプランニング」が使われている。モーションプランニングはGoogleが自動運転カーで採用していることが知られているが一般には知名度は高くない。この技術を使うと、ユーザーはロボットが作業して欲しい初期の姿勢とゴールとなる目標の姿勢を指示するだけで、ロボットがカメラ(ビジョン)を活用して環境や状況を判断して作業を行う。コードを書くプログラミングやティーチングが必要ないとされている。
モーションプランニングを搭載した知能化コントローラは同社のものだけだ。
ステージでは同社が考える「産業用ロボットが普及しない課題」として、メーカーごとに操作方法が異なる、ティーチングが難しい、ロボットの知能化が難しい、新規ロボットメーカーになるのが困難、という4点をあげた。
MUJINのコントローラは、様々なメーカーのロボットに容易に組み込むことができるため、操作性を統一することできる、更にティーチングが不要、AIを活用した知能化済み、メーカーはコントローラー部分の開発はMUJINに任せて、多機能なハンドやアーム部分の開発に専念してどんどん新規参入して欲しい、と語った。
■解りやすい説明の様子は動画で
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。