AppleのHomePodの発表で、Siriのインストールされたデバイスが全世界で5億台を突破していることを明らかにした。
Siri搭載デバイス
Appleの以下プレスリリースにおいて、「Siri搭載のデバイスは5億台を突破した」と記載されている。
Siri, now actively used on over half a billion devices, has developed a deep knowledge of music and understands your preferences and tastes.
Siriは、現在iPhone、iPad、Apple Watch、AirPods、Mac、MacBookなどで利用可能だ。これに2018年2月よりHomePodも加わっていくことになる。
出荷された搭載デバイスが多いが、その利用度合いも高いという発表もある。2017年6月に開催されたAppleのWWDC(世界開発者会議)において、「Siriは毎月3億7,500万以上のiOSデバイスで使用されている」と発表している。
Google Assistant搭載デバイス
一方、Googleは「Google Assistant搭載のデバイスは世界で4億台を超えた」と公式発表している。
搭載デバイスはメインはAndroidデバイスで、ここに新たにGoogle Homeファミリーや、Google Assistant搭載のスマートスピーカー、スマートディスプレイなどが加わってこの台数になっているものと考えられる。
Alexa搭載デバイス
Alexa搭載デバイスは世界で数千万台と公式発表されている。具体的な台数については明らかにされていないが、おそらく3〜4,000万台と推察される。
Amazon Echoファミリーはスマートスピーカー領域では圧倒的なシェアを持つデバイスだが、Alexa搭載デバイスとしてみると、スマートフォンを擁するApple Siri、Google Assistantに比べると一桁台数が少ない状況だ。
今後Siri搭載HomePodはどうなるのだろう
スマートスピーカーとしてはHomePodはAmazon Echo、Google Homeの後発となってしまっているが、競合とうまく戦えるのだろうか。
まず、今まで見てきたとおり、Siriというアシスタントで考えれば搭載デバイス数で存在感の高さは強みになる。デベロッパーが音声スキルを開発するにあたり、搭載デバイス数の多いものに対応するのが自然だ。そしてSiri搭載デバイスは間違いなく世界有数のプラットフォームの一つなのだ。また、Appleは長年育ててきているデベロッパーも多くおり、Siri向けの音声スキルを作るデベロッパーを巻き込みやすい立場にある。スキルが増えることで製品の魅力が上がると考えれば、HomePodには期待できるはずだ。
音楽ストリーミングサービスの観点で考えても、HomePodに強みはある。世界のストリーミング音楽サービスの市場シェアはApple Musicが世界2位だ。Apple Musicユーザーがこのサービスを気に入っているのであれば、他のストリーミングサービスに切り替えることはなく、そのままHomePod購入につながる可能性も高いだろう。
そして、そもそもAppleは信者とも呼ばれるロイヤリティーの高いユーザーが多く存在している。Macを仕事で使い、日々iPhoneとAirPodsとApple Watchを使い、更に音楽はApple Musicを使うというヘビーユーザーであれば、スマートスピーカーとしてHomePodを選びたくなってしまう人も多いかもしれない。
あとは日本語など海外展開のペースがどうなるかがポイントだろう。早期の対応を期待したい。
ロボスタ / HomePod
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。