ソフトバンクグループは2017年4月から約50億円を投じて「Pepper社会貢献プログラム スクールチャレンジ」を実施している。公立の小・中学校を対象にPepperを無償で貸し出すプログラムで、全国282校、約2,000台のPepperが無償で導入されている。3年間で9.1万人の子供たちがPepperを使ってプログラミングを学んでいくことが見込まれている。
来年度も第二弾「スクールチャレンジ2」が予定されていて、公立学校だけでなく私立の小中学校、更に高校にも対象に広げる。既に2017年8月から公募が開始されている。スクールチャレンジ2は廉価料金だが有料となる。
プログラミング成果発表会
巨大プロジェクトだけあって成果も求められることになるが、同社は「プログラミング成果発表会」というコンテスト形式の発表会でその成果をはかるとともに、オープンに公開していく方法をとることにした(来年度も継続して行われる予定)。
プログラミング成果発表会は、2018年2月11日、ソフトバンクの汐留本社で、スクールチャレンジに参加している全国の小中学生、48チームが参加して開催された。
部門は小学生部門、中学生部門、部活部門が設けられ、児童や生徒たちが開発したプログラムの実演と説明を行い、成果を競い合った。課題として小学生部門と中学生部門には「○○に役立つ Pepper」が、部活部門には「○○を笑顔にする Pepper」というテーマが与えられた。
各部門ごとに、金賞、銀賞、銅賞が発表され、金賞のチームには「米国シリコンバレー視察」という賞品が授与された。
課題として小学生部門、中学生部門が「○○に役立つ Pepper」、部活部門は「○○を笑顔にする Pepper」というテーマが与えられた。
会場では午前中から各部門ごとに別れて、1チーム10分(発表8分、質疑応答2分)でプレゼンテーションが行われ、各部門上位3チームが午後の大会場でプレゼンテーション&デモを披露した。
各チームとも、Pepperの特徴を活かしたプログラミングを行い、その完成度の高さには驚いた。また、それより目を見張ったのが、Pepperで解決したい問題(課題)や、その問題に着目して理由など、ハキハキとした聞きやすいプレゼンテーションが行われたことだった。
金賞
金賞は、小学生部門では岡山県新見市の新砥小、中学生部門では佐賀県武雄市の武雄北中、部活部門では岐阜県岐阜市の青山中が、それぞれ受賞し、シリコンバレー行きの権利を手に入れた。
銀賞
銀賞は、小学生部門では岐阜県岐阜市の梅林小、中学生部門では栃木県下野市の南河内第二中、部活部門では和歌山県かつらぎ町の笠田中が、それぞれ受賞した。
銅賞
銅賞は、小学生部門では福岡県飯塚市の上穂波小、中学生部門では岡山県新見市の新見第一中、部活部門では東京都町田市の本町田東小が、それぞれ受賞した。
受賞したデモンストレーションがどのような内容だったのか、児童・生徒達のプレゼンテーションの様子などは、別記事で改めてレポートする(「小中学生がPepperを使って身近な問題解決に取り組む!プログラミング教育の成果発表会レポート (1)」につづく)。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。