本日開催された「2018年度ソフトバンク株式会社の入社式」で、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が新入社員378人に向けて挨拶を行った。その言葉には、AI・ロボット時代に働く社員へのメッセージが込められている。その一部をご紹介する。
今の仕事は、いわゆるブルーカラーとホワイトカラーの2つに大きく分けられます。30年後にはブルーカラーの仕事は「メタルカラー」に、つまりAI(人工知能)を搭載したロボットにほとんど置き換わると思います。また、ホワイトカラーの仕事もかなりの部分がAIに置き換えられていくでしょう。現在のロボットにOSが搭載され、そのOSの上で人工知能が自在に動くスマートロボットがでてきます。ソフトバンクグループがスマートロボットの生みの親になるかもしれません。そうするともっとクリエーティブで、人間同士が心を通じ合えるような、人に感謝され、感動を与えられるような仕事が、より高付加価値がある仕事となります。人々はありがたいと思うことに対して対価を払い、それが報酬になります。AIに人間の仕事が奪われてしまうのではないかと言う人がいますが、人間が人間に感謝し、人類に貢献していくことは永遠のテーマであり、そういうことのためにAIは進化していくのだと思います。
孫正義氏 入社式あいさつ(骨子)より
ソフトバンクは、Pepperの開発に留まらず、ボストン・ダイナミクス等の有望なロボット企業をグループに招くことで、よりフィジカルで人間の仕事を代替できるロボットを生み出そうともしている。孫正義氏は、AIを搭載し運動能力に優れたロボット(メタルカラー)が、「30年後にはブルーカラーの職を担う」と語り、そのスマートロボットの生みの親がソフトバンクになるかもしれないと語った。
また、同氏は、「ソフトバンクグループが目指すのは、情報革命ただ一つ。その情報革命で人々を幸せにするという思いがあります。1回しかない人生。熱き心で多くの人々に幸せになってもらいましょう。」と企業理念を語り、「ソフトバンクグループはまだまだ創業期です。同期の桜として一緒に素晴らしい人生を過ごしましょう」と挨拶を締めくくった。
メタルカラーという造語は、本挨拶の中では「働くロボット」を指して使用しているが、ノンフィクション作家の山根一眞さんは過去にメタルカラーを「高度な技術が必要な作業を行う技術者・職人」を表現する造語として利用している。
(トップ画像は「Softbank World 2017」登壇時のもの)