パーソナルモビリティ「WHILL Model C」がデザインの最優秀賞をまた受賞、その機能と特徴は?
WHILL株式会社の開発したパーソナルモビリティ「WHILL Model C(ウィル モデル シー)」は、ドイツで開かれた国際的に権威のあるデザイン賞である「Red Dot Design Award 2018:Product Design」にて、最優秀賞である「Best of the Best」をヘルスケア部門で受賞したことを発表した。
受賞はグッドデザイン賞2017(日本)、iF Design Award 2018(ドイツ)に続いて3つめ。
「Red Dot Design Award 2018:Product Design」とは?
Red Dot Design Awardはドイツで1955年に創設された、世界的なデザイン賞の一つ。
今回WHILL Model Cが受賞した「Best of the Best」は、48の製品分野においてそれぞれ最も優れた製品に贈られる賞である。(世界59カ国から6,300件以上が応募があった)
米国で事業を展開するWHILL, Inc. のCEOであり、WHILL Model Cのデザイナーでもある杉江理氏は受賞にあたって次のように述べている。
WHILL Model Cは、現代デザインの世界最大級の美術館である「Red Dot Design Museum」に展示される予定だ。
「WHILL Model C」とは?
「外に出る、友達に会う、季節の変化に気づく、夕飯のおかずを買いに行く、そうした当たり前の日常を快適に過ごせる乗り物を」をコンセプトとした福祉用具だ。
「WHILL Model C」の特徴はよりクルマらしいデザインという点だ。最大5cmの段差の乗り越えができたり、使用者が買い物ができる様に20ℓの大容量かごが足元についてたり、スマートフォンや電子機器などを充電できる様に本体にコンセントがついていたり、盗難防止様にワイヤレスで鍵をかけられたり、急な坂道など危険な走行に対して、自動音声が流れるなどの様々なシチュエーションに配慮されている。
「WHILL Model C」イメージ紹介ビデオ
WHILL Model C(ウィル モデル シー)の様々な機能
最大距離と充電時間
「WHILL Model C」の走行スピードは約6km、最大走行距離は約16kmまで走行することが可能。そして毎回乗るごとにバッテリーを充電する必要がある。充電時間は約5時間を必要とし、充電回数は同社の調べによると約1000回まで充電することができる。
小回りのしやすさ
従来の電気車椅子は回転半径つまり回る時に約145cm必要だったが「WHILL Model C」では76cmと小回りがしやすくなった。
他にも手を離せば坂道でも自動でブレーキがかる機能や、左右のモーターを適切に制御することで、横に傾斜した道でもまっすぐ走ることができるなど様々な機能が搭載されている。
アプリケーション
「WHILL Model C(ウィル モデル シー)」 はBluetoothLEでスマートフォンと接続することが可能。アプリでは走行可能距離を確認したり、リモートコントロール機能を使って動かしたり、モード設定を変更することが可能。
場所を取らないコンパクトさ
「WHILL Model C」はコンパクトに分解することができる。これにより、クルマのトランクに入れることができるため、クルマを持っている方であれば、より広範囲に移動することが可能になった。
カラーバリエーション
「WHILL Model C(ウィル モデル シー)」の種類は全8色のカラーバリエーションから選べる。
価格
本体価格は45万円、また本体は福祉用具として非課税となるが、別途、送料調整費がかかる。
使用者の感想
2013年の10月にALSを発症し、歩行が大変になってきたタイミングで、車いすを使おうと思いましたが、自分が乗りたいと思えるものがありませんでした。かっこいいものに乗りたいという思いが人一倍強く、昔から自転車やスケボーなどの乗り物が大好きだったのですが、WHILLはそういった新しい乗り物に出会ったときの感覚を与えてくれました。
特に後ろから見たときのフォルムと赤いLEDがかっこいいですね。バッテリーが取り外し可能なので、本体を玄関先にとめた後、バッテリーだけ家の中へ持っていって充電できます。予備バッテリーを持ち運べば、遠出をするときも安心ですね。妻と外出する際も、分解して車に乗せ、2人で買い物を楽しむことができるようになりました。外出先で急に雨が降ってきた時なども、同様に分解してタクシーに乗せられます。車載できるということは、日々の生活が楽になるだけではなく、突発的なトラブルに対応できる安心感につながりますね。
悪性リンパ腫が原因で歩行が難しくなり、初台のリハビリ病院にしばらく入院していました。そこで友人に紹介してもらったのが初めてWHILLを知ったきかっけです。かっこいいなと興味を持ち、電話で問い合わせたのでが、当時はまだWHILLの販売が本格的に開始される前だったので、半年くらい納品を待ちましたね(笑)。WHILLが来るまでは他社の簡易電動車椅子だったのですが、安定性や乗り心地でだいぶ違う印象でした。納品後にちょうど会社創立30周年記念と復帰祝いを兼ねてのパーティーが催したのですがその際にWHILLに乗って復帰姿をみんな披露したのが思い出深いですね。WHILLに乗っていると、子供が「あ、あれカッコいー」と気軽に声をかけてくれたり、女性が「どこで買えるんですか?家族に紹介したいです。」と話しかけたりしてくれます。車椅子に乗っている感じではなくて、「乗り物」に乗っている感じが、周囲の人との距離感を変えてくれるのかもしれません。だからWHILLに乗っていると、周りから余計な気を使われないのが楽でいいですね。(笑)
気になる方は以下のサイトで確認してみてはいかがだろうか?
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。