人型ロボットが私たちの先生!小学3年生向けの授業で英語発音の「外国語指導助手」にロボット「NAO」を起用
株式会社アウトソーシングテクノロジーは、人型ロボット「NAO」(ナオ)が小学校で英語の先生をつとめる授業がはじまったことを発表した。文部科学省の新教材を活用した公立小学校での授業としては日本初となるとのこと。
場所は福岡県大牟田市、市立明治小学校で行われている。
2018年5月より約1年間、小学3年生に向けた外国語活動授業において、小型の人型ロボット「NAO」が英語の発音のお手本を披露する講師として起用された。同小学校と大阪樟蔭女子大学の菅正隆教授、アウトソーシングテクノロジー、NECフィールディングが連携して実施に至った、という。
NAOを活用した英語授業
明治小学校が今年の5月に開始した授業は、文部科学省が作成した小学校3・4年生に向けた英語学習の新教材『Let’s Try!』に沿った内容で、NAOはALT(外国語指導助手)役として授業を進める。NAOは19か国語に対応している中の英語を話し、子どもたちにネイティブの発音を学んでもらうことが狙いだ。同取り組みは、文部科学省で教科調査官を務め、小学校への英語教育普及の第一人者でもある菅 正隆教授監修のもと進行を行った。
文部科学省の英語教材を活用したロボットによる公立小学校での授業は、日本初の試みとなり、週1回の授業を1年を通じて実施される。
2020年度、小学校の英語教育義務化に伴う課題
2020年度から新学習指導要領が実施され、小学3・4年生では外国語活動が、小学5・6年生では英語の教科化が完全実施となる。そして、2018、2019年度は次期学習指導要領への移行期間として、英語に慣れ親しむための外国語活動が取り組まれていく予定となっている。
それに伴い学校側では、英語を教える教員の育成が大きな課題となっている。この課題に対し学校側はALT(外国語指導助手)を採用し、生きた英語に触れさせる取り組みを行う学校が増えている。文部科学省の、平成28年度「英語教育実施状況調査」によると、小学校でのALT等の活用総数は12,424人となっており、前年より985人増加している。
一方で、ALTの採用には、月々の給与、渡航費、保険料なども加わり、1人あたり年間500万円程の費用が発生する。生徒達にネイティブな英語に触れさせたいという方針はありつつも、財政的にALT受け入れが困難となっている学校も少なくない。
ロボットだからこそのメリット
単に発音だけを伝えるのであれば、音声データのみでも可能だ。しかしながら、人型ロボットという媒体を活用することで、子どもたちの興味関心が高まり、英語を楽しみながら学ぶことができる。またアウトソーシングテクノロジーでは、これまでにも小学校でのロボットを活用した授業を実施行ってきた。その中で、身長58センチ、身ぶり手ぶりや時にはダンスも披露するNAOは子どもたちから大きな人気を集め、アンケートの結果でもより良い効果が得られている裏付けがあるそうだ。
将来的にロボットがメインで教え、教師がサポート役に回るそんな日がくるかもしれない。
Nao購入窓口
ABOUT THE AUTHOR /
山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。