東大JSK発の空中で変形するロボット「ドラゴン」が凄すぎる
タイトルに「すごすぎる」とかアホみたいな表現だという声が聞こえてきそうですが、それほど動画を見て衝撃を受けたのです。東京大学情報システム工学研究室(JSK)が開発したDRAGONが、まさしくドラゴンなのです。語彙が少なくて本当に申し訳ない。
JSKといえば、ヒューマノイドロボットの研究で知られていますが、今回開発したのは、宙を浮く変形ロボット。JSKではドローンの研究も行っており、ドローンとロボットの研究成果が詰まったものになっています。
まずは昨年発表した空中ロボット「HYDRUS」から。HYDRUSは、いわゆるドローンのように水平にホバリングすることができる4つのファンが連携するロボットです。
ファンの位置が移動することによって、形を変えることができ、4つのファンで囲うことで物を持ち運ぶこともできます。HYDRUSとは水ヘビ座のこと。まさしくヘビのように、空中で水平にニョロニョロと動きます。名前のつけ方が素敵。
そして、今回発表されたDRAGONも、HYDRUSと同じく4つのコンポーネントが一体となっています。DRAGONは4つの構造それぞれに2つの小型で強力なファンがついており、計8つのファンが回転することで空中に浮かびます。まず実際に動画をご覧いただくのが早いでしょう。動画の前半は構造の説明、後半から空中に浮かぶ様子と変形する様子を見ることができます。特に2:21以降が凄まじいです。
HYDRUSのような水平だけでなく、DRAGONは立体的な動きも可能となっていますが、それを可能にしているのはファンの角度を変えることができる点。二つのファンを結ぶ軸が常に水平に保たれているため、8つのファンも常に水平になり、安定したホバリングを実現しています。
そして、各構造を結ぶ関節部分を動かすことにより、空中で変形することもできます。関節は3次元的に動きます。
この3次元の動きの中でファンを水平に保つためには、それぞれの構造の位置や角度をリアルタイムで計測し、適切な角度に軸を回転させる必要があります。素晴らしい技術です。
さて、この技術が実用化されたらどうなるか、少し考えてみました。まずマルチコプターが入り込めない、ビルとビルの間などの細い空間にも入っていくことができます。そして、通常のドローンはカメラ位置が固定もしくは上下撮影程度ですが、先端にカメラをつけることで、一つのカメラで周囲360度の撮影ができるようになります。すると、これまでにない映像を撮影できるかもしれません。HYDRUSと同じように輪っかになって物を運ぶこともできそうですが、DRAGONの場合には位置を少しずらすことで輪っかのサイズを縮小することもできるので、直径が小さな円柱状のものに巻きつくように物を持ち上げることもできるかもしれません。
まぁ色々と挙げましたけども、一番楽しみなのは巨大化したDRAGONの背中に乗ることですけどね!