ニュアンスの会話型AI、メルセデス・ベンツの新型Aクラスに搭載 日本語など23ヶ国語に対応

会話型AIのニュアンス・コミュニケーションズは、ダイムラーAGと「Mercedes-Benz User Experience(MBUX)」マルチメディア・システムの開発における協業を発表した。同システムはメルセデス・ベンツの新型Aクラスをはじめ、今後発売されるモデルに搭載される予定。カスタマイズされたオートモーティブ・アシスタント機能を備えたインフォティメントシステムはドライバーエクスペリエンスを向上させるだろうと述べている。MBUXは最先端の会話型AIに対応したニュアンスのDragon Driveプラットフォームを活用することで、ドライバーと同乗者双方の好みやニーズを理解し、継続的に学習し、よりパーソナライズされたコネクテッド・エクスペリエンスを提供していく。

アナリストによれば2020年には、世界で240億のIoT機器を搭載した2億台以上のコネクテッドカーが道路を走ると予想されており、コネクテッドな、自律的で、シェアリング型の電気自動車がますます一般的になる。そんな中、ドライバーと同乗者は「クルマとの対話の進化を期待しています」とニュアンス社。

この会話型AIは、ボタンを押す代わりにウェイクアップワードで起動する。「ハロー、メルセデス」というシンプルな言葉に応え、自然言語理解と自然言語生成機能により、ドライバーと同乗者は誰かに質問し、要求を満たすようにMBUXと自然に会話することができる。

例えば、ドライバーが「明日は、サンダルを履いて出かけられますか?」と尋ねると、MBUXは天気予報を照会し、「はい、明日の天気は晴れの予報です」と返答する。もし、ドライバーが「ここは暑すぎる」と言えば、MBUXは車内の気温を下げる。このように、MBUXは従来のワンパターンなフレーズでの回答ではなく、自然に自在な応答を行うという。

また、MBUXの自然言語理解は、ドライバーが以前に言ったことを参照し、人間がそうであるように、過去に言われたことへの言及を理解するようにデザインされている。例えば、あるユーザーは「ジョンにメッセージを送信してください」と言った後に、「マリアにも送信してください」と言う。あるいは、「ロンドンの天気はどうですか?」と聞いた後に、「マンチェスターは?」と訊ねる。MBUXはこの種の会話をフォローし、様々な要求に応えてくれるようだ。

また同システムは、車載に組込まれた機能であってもクラウドを介し、無線ネットーク(OTA)による更新ができるように、柔軟な構造で設計されている。ソフトウェアモデルは、時間の経過とともに新しい単語や言語の使用が豊富になるため、例えば、シーズンスポーツイベントなどバーチャル・アシスタントやサービスを追加することで、いつでもドライバーが利用できる情報の範囲を拡大し、クルマは常に最先端の機能を備える。さらにクルマと深く統合されたアシスタント機能により、車内の温度調節や音楽、あるいはシート温度調整やマッサージなどの機能を音声で制御することができるという。

Dragon Driveによって実現したMBUXは、イギリス英語、アメリカ英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、メキシコスペイン語、中国語、日本語、韓国語など23か国語に対応。MBUXは、2018年5月より欧州で出荷が開始された新型Aクラスに最初に搭載される。

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ロボスタ編集部

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