中国アリババが展開する「ロボットレストラン」は新鮮な食材で料理を提供する
「Hema」という未来型のスーパーマーケットが、中国で勢いを増している。2016年にアリババが運営企業の「Hema Xiansheng」に1000万ドルの出資を行なっており、以降アリババのサポートを受け、店舗数を着実に増やしている。端的にこのスーパーマーケット「Hema」の特徴を説明すると以下の通りだ。
・新鮮さを売りにした生鮮食品のスーパーマーケット
・その場で調理をしてもらい、併設のレストランで食べることもできる
・決済は全て電子決済(Alipay)のみ
・スマホから注文し、30分以内に自宅に届けてもらうことも可能(5km以内)
オフラインとオンラインの融合を目指すこのスーパーマーケットは、上海や北京などの地域で展開。新鮮な魚介類を食べたいというニーズともマッチし、驚異的な購入頻度を誇っているのだという。決済や配送など、アリババのグループ企業全体の強みを生かしながら、相互に連携して街の中の小売業を変えようとしているのである。
今回の記事で取り上げたいのは、この「Hema」の新店舗に併設されたレストラン「Robot.He」のこと。ロボットが見事に活用されているレストランだ。
お客は「Hemi」の店舗に訪れて、新鮮な食材を選び、スマホで決済する。
「調理」をお願いすると、食材はベルトコンベアに乗って運ばれていき、料理人の手元に渡るまでの数分間もきちんと冷蔵庫で管理される。裏側ではロボットアームがケースに入った食材を管理している。
お客は併設のレストラン「Robot.He」に出向き、席に座ると、スマホ画面から、サイドメニューやお米などを選ぶことができる。
その間も調理は着々と進んでいる。スーパーマーケットで選んだ食材の調理が完成すると、その料理は「ロボット」に乗せられる。
倉庫ロボットのように規律が行き届いたこのロボットが、指定されたお客のところまで料理を運んでくれる。かっぱ寿司の新幹線レーンのようでもあるが、レールが決められている訳ではなく、複数レーンをロボットたちが前後左右にくるくると動き回る。
広いレストランスペースで、同時にたくさんの料理をさばいていくので、人間のホールスタッフよりも効率が良さそうだ。もちろん、お客が料理を受け取ったら自動で料理を受け取るレーンに戻っていく。
現在中国では新鮮な食材を求める声が多いという。特に魚介類の鮮度を気にする人が増えているようで、新鮮な魚をすぐに届けてくれたり、新鮮な魚を自分で選んで調理してもらえるという同レストランは、現在の中国人のニーズに合致しているようだ。
また、「ロボット × レストラン」というと、ついロボットが調理までしてくれることを考えてしまうが、「Robot.He」では調理は人間が行ない、食材の管理とサーブはロボットが行なう。それぞれの強みとできることを理解した上で分業を行なっている点は見事だ。
これらは電子決済が進んだ中国だからこそできるレストランとも言える。一度は訪れてみたいスーパーマーケットとレストランだ。