人間のように話すAI「Google Duplex」、コールセンター等での利用を検討か?

ある保険会社がコールセンターでの利用のためにGoogle Duplexをテストしている、と2018年7月5日、米メディアThe Informationが報じた。

Google DuplexGoogle I/O 2018で発表されて以来、音声活用の最新事例として話題を集めてきた注目のサービスだ。美容院やレストランへの予約、小売業者に店舗時間を確認するといった作業をユーザーに代ってコンピュータが行ってくれる、いかにもAIアシスタントらしいサービスだ。Googleは先日、限定された店舗を対象にテストを行う予定だと発表したばかりだ。

コールセンターのソフトウェア市場は2017年68億ドルから2022年には209億ドルに成長すると言われており、この領域でGoogle Duplexがうまく機能するのであれば、巨大なコールセンターを保有する会社にとっては無視できないサービスだろう。

しかし、Googleはこの報道を否定したという。「私たちは現在Google Duplexを消費者向けに使うことに注力しており、企業向けにテストはしていない」という。逆にこのコメントでは、現在はテストしていないが、将来的にGoogle Duplexの企業向け提供の可能性を否定しているわけではないともとれる。

発表当初のGoogle Duplexは、ユーザーを代行してお店に電話をして予約を行うサービスだった。これがもし噂通り、将来的にGoogle Duplexがコールセンターに配置され、人間からの電話を受ける側としての活用が広がる可能性があるとしても、そんなに簡単にいくのかどうかはわからない。同じ電話を通じて人間とやりとりするサービスではあるが、ある目的を持って電話をかけるのと、あらゆる問い合わせがくる電話を受けるのではハードルは違うはずだからだ。

もっとも、この領域もAIができないわけもなく、いずれ人間に変わって対応するようになることは時間の問題だろう。

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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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