LINE、Clovaの外部スキルの体験会を初開催! お坊さんから有難いお言葉を頂いてきた
LINEはClovaのスキルを開発するためのSDK「Clova Extensions Kit(CEK)」を今月12日に公開。本日、報道陣向けに、そのCEKを活用して作られたスキルの初となる体験会が行われた。
体験会はお坊さん手配サービス「お坊さん便」などを提供する株式会社よりそうで行われ、同社が開発したスキル「3分法話」および「お坊さん便」の体験がメインとなった。両スキルを含めた、CEKで開発されたスキルは、7月下旬以降で開設される「Clovaスキルストア」から配信される。スマホアプリを通じてスキルのアクティベートができるようになる他、音声対話の中でアクティベートをすることもできる。
今回体験ができた「3分法話」のスキルは、法要・供養の場に欠かせないお坊さんによる3分法話をLINEのスマートスピーカー「Clovaシリーズ」を通じていつでも聞けるというもの。
「ねぇ Clova、3分法話を開いて」と話しかけると、スキルが起動し「今の気持ちを3つから選んでください」と反応。「迷い・悲しさ・怒り」の3つの感情から選択することで、その時の気持ちに寄り添った法話を聞くことができる。法話は実際のお坊さん4名分、計12話収録されており、感情を選択すると4人の法話の中からランダムに再生される。
同スキルは、実際にお坊さんの声で法話が再生される。音声合成を使う手段もあるが、よりそうでスキル開発を主導したマーケティング部CRMグループマネージャーの小野敬明氏は「音声合成ではお坊さんの声のような安心感を演出することができない」といい、「ロボットやスマートスピーカーがお坊さんの代わりになることはできないと考えている。落ち着きのある声で話すからこそありがたみを感じ、心に響く言葉を届けることができる」と答えた。実際に音声合成での開発も試みたというが、現在の音声合成では声色も一定で、温かみを感じられなかったという。
小野氏は、昔は様々な相談をしたり教えを請う存在であったお坊さんも現代においては距離が遠くなってしまったと説明。今回のスキルを通じて、お坊さんを身近に感じ、困った時に相談する存在として認知してもらいたいと述べた。
今回発表されたもう一つのスキルは、よりそうが展開する「お坊さん便」を手配することができるスキル。葬儀や法要の際AIアシスタントに話しかけることで「お坊さん便」を手配できる。「ねぇ Clova、僧侶手配を開いて」と話しかけるとスキルが起動。続いて「お坊さんを呼んで」と話しかけ、葬儀・供養・戒名授与の3つの目的の中から希望のサービスを選択して連絡先の電話番号を伝えると、コールセンターから電話が掛かってきて、お坊さん便の依頼を行うことが可能だ。
今回の発表にあわせて開発されたオリジナル袈裟カバーは、法衣や袈裟の製造を手掛ける「京一心法衣店」により制作された。
一般への販売は現在のところ予定していないが、今後の反響次第では受注生産のような形にもなるかもしれない。
スキルプラットフォームを開放したLINE
LINEは、6月28日に開催されたLINE Conferenceで、「Clova Extentions Kit」の初期パートナーとなる34社を発表した。50以上のスキルが順次提供されることを発表している。
先行するアマゾンは、同社の音声アシスタント「Alexa」の日本国内でのスキル数を1000以上まで伸ばしている。グーグルも350以上までその数を伸ばしている(Googleアシスタントにおいてはアクションと呼ばれる)。ようやくスキルの開発プラットフォームを開放した後発のLINEは、これからその数をいかに伸ばしていくことができるか。そして、良いスキルを生み出すためのサポートを行なっていけるか。Clovaシリーズの販売強化や、満足度の向上のためには、ここの取り組みが必要不可欠と言えるだろう。
今年8月からは「LINE BOOT AWARDS 2018」の作品受付も始まる。優勝賞金1000万円という賞金額は、開発者にとって魅力的なコンテストだ。これを機に多くのスキルが集まり、それはClovaの魅力へと繋がっていくことに期待したい。
Clovaのスキルストアは7月下旬以降の公開される。その先の展開も非常に楽しみだ。
LINE Clova
よりそう
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。