人工生命の国際会議「ALIFE 2018」いよいよ明日開幕!AI、ロボット、バイオロジー、アート等の側面から人工生命/人工知能を考える

人工生命国際会議「ALIFE 2018」が、明日7月23日(月)から27日(金)の間、東京の日本科学未来館で開催される。
「ALife(人工生命)」の未来を模索する国際的なイベントで、今年のテーマは「Beyond AI」。AI(Artificial Intelligence)を超えた大きな概念として捉えられるALife(Articial Life)を、AI、ロボット、バイオロジー、アートといった幅広い側面から、テクノロジーと人間や生命の新たなありかたを探求する。


ちなみに「ALife(人工生命)」とは、コンピュータ技術や生化学によって人工的に「生命」のシステムをつくりだろうとする研究活動だ。
1986年に理論物理学者クリストファー・ラングトン氏によって命名された。

連日、キーノートが行われ、自律的に動く掃除機ロボット「ルンバ」の開発者でありMIT人工知能研究者所長のロドニー・ブルックス氏、タクシーサービスUberのAI Labs 設立メンバーであり研究主任のケネス・O・スタンリー氏、ロボット工学者の石黒浩氏や、動物や人工物に憑依できるゲーム『Everything』で知られるアーティスト/アニメーター、デビッド・オライリー氏などの登壇が予定されている。


その前日となる今日は、完全招待制のプレカンファレンスが行われた。いくつかのトークセッションとナイト・ミュージアム・レセプションパーティー、アンドロイド・オペラなどが行われる。

タイトルの写真は第3セッションの冒頭で実演された箱浄瑠璃の様子だ。浄瑠璃では人形がまるで生命を持っているかのように感じられる。一方で、人間がそのように考えることがおこがましく、実際には浄瑠璃の人形を作る木に神が既に宿っていると考えられていると言う。

阿波木偶箱まわし保存会のみなさんによる実演。生命が宿っているかのように感じる


第3セッションは、ALIFE 2018実行委員長の池上高志氏、現代美術家の宇川直宏氏、スマートニュース代表取締役の鈴木健氏、投資家の孫泰蔵氏によるパネルトークが行われた

夕方から行われた第4セッションでは、冒頭にサウンドアーティストのevala氏による音響アート「SEE by YOUR EARS」の演奏が行われた。それに続き、脳科学者の茂木健一郎氏、身体性認知科学者の鈴木啓介氏、意識科学者の金井良太氏、映像作家でアーティストのデビッド・オライリー氏がそれぞれ登壇し、自由意志や意識とは何か、意識のしくみについての研究のプレゼンテーションを行った。

茂木健一郎氏のプレゼンテーション終了後、池上高志氏とのミニトーク

意識科学者の金井良太氏

夜には、日本科学未来館の巨大地球儀「ジオコスモス」の前で、レセプション・パーティーと池上高志氏のアート作品のお披露目や「Art Hack Day」の受賞作品の紹介などが行われる。

執筆時点のジオコスモスの様子

更に続いてオーケストラをアンドロイド「オルタ」が率いてコンサートを行う「アンドロイド・オペラ」が上演される。(関連記事「あの機械人間「オルタ2」が人間のオーケストラを指揮して歌う!アンドロイド・オペラ「Scary Beauty」日本で上演」)



◆開催概要
名称:ALIFE 2018(エーライフ2018)
日程:2018年7月23日(月)- 7月27日(金)
会場:日本科学未来館
〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
WEB:http://2018.alife.org

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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