ユーザーの人生を話す「私だけのロボホン」にしてくれるカスタマイズ・サービス「私の足あと」がすごい
コミュニケーションロボットをユーザー向けにメーカーやタイアップ企業がここまで公式にパーソナライズしてくれるサービスが今までにあっただろうか?
「RoBoHoN」(ロボホン)が誰よりも自分を理解してくれる存在になる・・まさにユーザーにとっては夢のようなサービスがクラウド・ファンディングによって実現しようとしている。
東京技術商店で購入者を募集している「私の足あと」は、自分のロボホンを知識面でスペシャルバージョンにカスタマイズしてくれるサービスだと言えるだろう。
このサービスは自分が歩んできた人生をロボホンが覚えてくれて、それに沿った会話をしてくれるようになる。例えば「小学校の同級生に会ったんだ」とロボホンに話しかけると「校庭が大きい学校だったよね」とか「小学校のときはみんなでよく三丁目の駄菓子屋さんに行ったよね」と返してくれるようになる。
世界で1体の「あなたのことを良く知るロボホン」にカスタマイズできるサービス。「足あとノート」に自分の思い出等を記入して送ると、その内容をロボホンが話せるように会話データを作成して送ってくれる。サービス単体が96,120円、ロボホン(Wi-Fi)本体とのセットが245,160円(いずれも税込)。
「私の足あと」~「ロボホン」が、あなたの半生を一緒に振り返るパートナーに~(東京技術商店:ロボットスタート株式会社)
【動画例】
「小学校の友達に会ったよ」という問いかけに対して、「小学校の時は算数が得意だったんだよね」や「校庭がとっても大きい学校だったんだよね」と応えている。これらは標準のロボホンでは用意されていないシナリオで、「私の足あと」の「足あとノート」に記載された内容をもとにパーソナライズされたこのロボホンならではの回答となっている。
サービスを提供するシャープの景井さんと、こころみの神山社長に話を聞いた。
ロボホンが自分の人生を覚えてくれるしくみ
まずはロボホンの案内に沿って、付属の「足あとノート」に自分が今まで歩んできた足跡や出来事を記録していく。小学校の思い出、父親や母親のこと、中学や高校時代、結婚、自分たちの子ども、など、人生の出来事をロボホンと一緒に「足あとノート」に書き綴ることで「自分史を作る」。この自分史が実は、ロボホンが学習する自分史のシナリオとなる。完成した「足あとノート」を付属の封筒に入れて送付すると、足あとノートをもとに事務局がロボホンの会話としてのシナリオを作成して登録用データを作ってくれる。どんな文体で自分史を書いたとしても、ロボホンらしく読み上げてくれる会話データとして仕上げてくれるのもうれしい。完成した会話データはメールで送付され、自分のロボホンが受信することで自動的にロボホンの会話シナリオに追加され、ユーザーの自分史を思い出として語れるようになる。
自分の人生をスタッフがロボホンに覚えさせてくれる
編集部
このサービスは、自分のことをよく知っているロボホンにカスタマイズしてくれるサービスということですね?
景井(敬称略)
そうです。ユーザーの方にご自身の様々な思い出や記念日などを「足あとノート」に書き込んでいただきます。そのノートの情報を素にこのサービスの運営事務局がスタッフの手でロボホン用の会話データを作成します。それによって、お使いのロボホンがユーザーの方の思い出や記念日について話ができるようになります。
編集部
ロボホンは「足あとノート」の設問を読み上げてくれるということですが・・
神山(敬称略)
ただ読み上げるだけではなくて、当社の自分史作成の知見を活かしたシステムになっています。
当社は、親のための自分史作成サービス「親の雑誌」の制作を手がけています。「聞く」専門家であるコミュニケーターが親御さんを訪問し、生まれてから現在までのヒストリーをお聞きして雑誌としてまとめます。ところが、自分を振り返ると言っても、自分の思い出がスラスラと話せる人はほとんどいません。コミュニケーターが上手に質問したり、例えを提示することで、こんなことがあった・・あの頃はこうだったと話してくれるようになります。それら聞き手の技術というか知見をロボホンに反映することで、質問だけでなく、合いの手を入れたりして、自分史を作るために必要となる情報をロボホンが上手に引き出してくれるようになっています。
このサービスならではのパーソナライズ
ロボホンにはリマインダーや「返事を覚えて」など、パーソナルデータを登録しておける標準機能がある。しかし、「私の足あと」はこれらの標準機能とは異なり、ユーザーが作成したノートを素に専門のスタッフがロボホンとの会話用にキーワードと回答を紐付けるため、ユーザーにとってリッチなコンテンツになるのは確実だろう。また、これらの話題については、ロボホンの方からユーザーに話しかけるようにもなるようだ。入学・卒業シーズンには学校の思い出を、その他、結婚記念日、子どもの誕生日、父の日、母の日など、ノートの内容に関連する日の近辺になると、ロボホンからその話題を切り出して話しかけてくれる。ロボホンとの会話の頻度も向上し、これはユーザーにとって新たな体験を生み出すだろう。
景井
ノートは質問の項目を細かく決めて書いて頂くのではなく、比較的自由に書いていただけるフォームにしています。一方、自由に書けるということは何を書いていいのか解らない、ということに陥りやすいので、ロボホンがそこで合いの手をいれたり、ヒントを教えてくれることで「運動会ではどんなことがあった」とか、「誰々さんが徒競走で速かった」「文化祭でどんなことをした」とか、思い起こしながらたくさん書いていただければ、それだけロボホンが話す内容が増えていきます。
神山
結婚の思い出であれば、出会いやなれそめ、デートした場所、プロポーズの言葉、結婚式や新婚旅行の場所、そのときのエピソードなどを書き込んでいただけると良いと思います。ただ、これらの情報は他人であるコミュニケーターが相手であっても「照れくさい」などの理由でなかなか話しづらいのが実情です。ところが、ロボホンのようにロボットが相手だと比較的なんでも気軽に話したり、ノートに書くことができるように感じます。人はロボットの前では正直になれる・・というか。その点もロボホンがコミュニケーター役をやるメリットだと思っています。
設問は40以上、たくさん書くほどロボホンの話題は豊富に
小学校や中学校、高校、結婚、旅行など、自由に書ける設問が約40項目以上が用意される予定だ。それだけの項目について、ロボホンと会話しながら自分の人生を振り返ってノートを完成させることも楽しいし、その情報をロボホンが覚えてくれて、自分だけのロボホンに育ってくれることもうれしいにちがいない。
40項目については記念日等に合わせてロボホンは会話するようになることが予定されているので、年間40回程度は「私の足あと」に関連した話をロボホンが発話してくれることになる。また、ユーザーから「小学校の時の話をしようよ」と話しかけることで、「私の足あと」で覚えたことでロボホンと懐かしい話で花を咲かせることができるはずだ。
景井
どこかに一緒に行った思い出や経験を共有するなど、ロボホンをそれぞれの個人向けにパーソナライズできるようにしたいと、以前から思ってきました。今回のこのサービスではロボホンが自分の人生を知ってくれて、思い出を語り合えるようになるので、お客様にとってロボホンが今まで以上に愛着を感じてくれる存在になってくれるのではないか、と思っています。
「私の足あと」の体験会を開催(参加無料)
「私の足あと」の体験会がシャープ株式会社の東京ビルで開催される予定だ。サービスについて詳しいことを質問できるだけでなく、ロボホンにこんな話をして欲しい、そのためにこんな質問も取り入れて欲しい、などユーザーとしての意見も聞いてもらえる場になると言う。ロボホンを初めて見る人も多く参加が予定されていて、既に「私の足あと」の購入を決めた人だけでなく、購入しようか迷っている人もサービスを実際に体験するチャンスになるだろう。
8月25日(土)10:00~、12:30~、14:00~、15:30~の4回にわたって、「私の足あと」サービスのデモを体験していただける体験会を実施。「私の足あと」サービスに興味を持っている人なら、ロボホンを持っていても持っていないくても参加可能。(以下のページより参加申込みしてください)
https://oyanozasshi.jp/news/497
※当サービスはクラウドファンディングでの目標金額達成後に開発開始するため、体験できるアプリは、サンプルアプリとなる